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ノマドランド

「それは、知らないアメリカの生き方だった」

◎ホームレスではなく、ハウスレス

アカデミー賞6部門でノミネートされ、主演は「スリービルボード」のオスカー女優フランシス・マクドーマンということで、映画好きなら劇場へ行かない理由がない作品。
この映画は、最初から最後までドキュメンタリータッチで描かれており、実際そこの人たちのリアルを見せれば、細かい説明等は不要で観ている側に伝わるものがある。
この映画に出てくるノマドの人たちは、日本でいう車上生活者のようなもので、自分のバンやキャンピングカーを移動手段としての車から、生活するための車へと改造して、仕事はアマゾンの倉庫や国立公園のキャンプ場などで働く。そういった仕事というのは、労働環境的にも過酷であったり、賃金も低い。ここまで聞くと悲惨な話のように聞こえるが、結論から言うとそうではない。
彼女たちは、毎日の生活はギリギリながらも、その一方で何にも縛られない完全な”自由”の中で生きている
我々は、日々のなかでずっとお金や将来、老後といったものに縛られながら生きている。
しかしこの映画に出てくるノマドの人たちは、そういったものに縛られていない。自由な日々を楽しみながら生きている。
幸せとか自由の定義みたいなのを考えさせられた。

◎ノマドランド、それは自由の国アメリカだった

ノマド⋯遊牧民、放浪者
ランド⋯土地、国
タイトルのノマドランドとは、とどのつまり”遊牧民の国
大きな視点で見たとき、アメリカという国自体が元々そういう人たちからなる国でもある。
だから、そもそもアメリカ人のDNAにそういったノマドの生き方みたいなのが刻まれているんだろう。
この映画を観て、知らない生き方がそこにはあったんだけど、それは昔から根本の部分ではずっと変わらない生き方なんだと思った。
そして、主人公たちが家ではなく、大自然で生きている姿を見て、人間どこでだって生きていけるんだと、生きたいところででっかく生きていこうとそんなことを言ってる感じがした。

4月26日のアカデミー賞で見事作品賞、主演女優賞、監督賞を獲ったこの「ノマドランド」
今、注目度高い作品なので気になる人は、緊急事態宣言明けてから是非劇場へ。
、、とは言っとくが一個人的感想としては、ぶっちゃけ面白くない。やはり、ドキュメンタリーチックに撮っているため、リアリティはあるが、話に起承転結があるわけではないので、言ってしまえば退屈。気づいたらエンドロールだった。
ハマらなかったというか、多分年齢的にビビっと来なかったのが大きいかな。
作品性が高いのはアカデミー賞を見ての通りなので、10年後とかにもう1回観たい。

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