最近フォローしたミイコさんのnoteを読んで「そうだったのか！」と納得した思いがあったので、記事を書いております。

　この文章を読んだときに私の脳裏に浮かんだのは高森草庵で目の当たりにしたクリスチャンの方々の生き方でした。

　私はキリスト教を体系だって学んだことはありませんが、高森草庵という修道院のような場所で約1年生活したことがあり、そこで体感としてキリスト教を味わいました。

　その時一緒に生活をしたクリスチャンの方々が「神様にお任せする」ということをよくおっしゃっていました。
　その方々はそれぞれ理想とする社会があり、信条もありますので、具体的に社会に対して行動したり、意見を述べたりすることはあります。ただ、それら自分のできる範囲のことをやりつくした後はいつも必ず「神様にお任せする」という態度を取っていらっしゃいました。
　私は当時その態度はなんとなく引っかかるものがあり、「成し遂げたいことがあるなら、行動した後に望む結果がでなければ、望む結果になるまであがいてでも行動をし続けるべきではないか」と思っていました。その方々が、諦めてしまうわけではないのですが、最後の最後は結果に頓着しない、という態度をとっているのがちょっとした不満でした。

　しかしそれも、「全て神様が善いようにしてくださる」という信頼があってのことなのだと、ミイコさんのnoteを読んで気づきました。

　私の理解している範囲でキリスト教を語るとすると、キリスト教においては世界と人間は神によって創られました。そしてその神は全知全能であり、慈愛に満ち、人間にとって善きように今も世界に働きかけてくださっています。
　だから、本当にキリスト教を信じ、神様を信じているクリスチャンにとっては「世界は善くなるように動いている」という信頼があるのだと思います。
　ミイコさんのおっしゃる「すべてはうまくいっている」に通じる姿勢だと感じます。

　ただ、神様が世界を最終的にはより善くしてくださるが、それのみを頼みにして人間が世界を善くすることを怠けていてはいけません。人間が他の人や世界に働きかけることも織り込み済みで神様は動いていますから、人間自身も自分をより善くし、同胞をより善くするために働きかけないといけません。
　他の人や世界に対する働きかけが、一見良い結果に結びついていなくても、人間である自分の目から見て「善い」と思えないことも、神様の目から見たら「善い」ことかもしれない。そして最終的には神様が善くしてくださるのだから、目先の成功・失敗に囚われず、自分の為すべきことを淡々と行えばいい。

　高森草庵の人たちが行動を起こしながらも、その行動の結果自体にはそこまで執着せず、淡々と自分の為すべきことを繰り返していく姿勢は、まさに上記のような神様への信頼があったからなのだと気づきました。

　そういえば、高森草庵の人たちは人が亡くなることを「神様に召し出された」という表現をされることがありました。
　キリスト教では信仰者は死後、神様の元である天国に帰り、永遠の命を受けることになっています。現世でのお役目が終わったら、神様に召し出されて天国に上り、そして天国の神様の元で死んだ後もお役目があるのだそうです。
　だから、現世での死がそれほどネガティブなものではないのでしょう。「現世でのお役目は終わったんですね。では、次は神様の元でお勤めに励んでくださいね」くらいの温度感でした。
　つまり、個々人の死すらも神様のお計らいの下にあり、悲しむことではなく、ただ神様の御意向にお任せすればよい、という姿勢だったのだと思います。神様への強烈な信頼です。

　それに対して私はどうか、というと私は「すべてはうまくいっている」とはとても思えず、いつも「これでいいのだろうか？」と疑問を持ちながら、不安になりながら行動しています。五里霧中、暗中模索の日々ですから、自分の選んだ行動の結果を非常に短期的に捉えてしまい、その結果に一喜一憂してしまいます。自分の行動の結果は短期的に表れるものばかりではありませんから、日々の自分の感情や調子の浮き沈みに簡単に影響されてしまいます。
　高森草庵の人たちの目先の結果に囚われずに淡々と日々を過ごしている生き方とはえらい違いです。

　高森草庵の人たちは毎日たくさんやることがあるため忙しく過ごしていながらも、どこか「ゆっくり」「静けさ」「厳かさ」というものが見えていました。それは「最後は神様が善くしてくださる」という信頼があったからなのだと気づきました。

　私が今からいきなり「すべてはうまくいっている」というマインドセットに変わるのは難しいですが、少なくとも私が敬愛している方たちの生きている姿勢がそちら側にあるということを覚えておいて、日々を過ごしたいと思います。

　貴重な気付きをいただき、ミイコさんには感謝申し上げます。

　本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
　最後まで読んでくださりありがとうございました！