着彩

【1分で読めるダークファンタジー】指揮ノ果テ二

★この小説は
#3分で読めるダークファンタジー 「六花抄 -Tales like a ash snow - 」
銀髪の剣士の姉と魔道士の妹が残酷な世界を旅する、ほろ苦い物語の外伝。

過去作品はこちら(オムニバスなのでどこからでも読めます)
https://note.mu/narumasaki/m/m38dd8451bb44

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とある国に小隊を率いる指揮官がいた。
彼の戦いぶりは荒削りであったが、優れた戦手腕から戦果を上げていた。

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その功績から指揮官は師団を任されるようになった。
指揮官は己の能力を信じてやまず、独断を繰り返すようになった。
「報告です。あちらの隊が攻め込まれています」
「ええい、うるさい。いつも通り俺の言うようにしていれば勝てる」

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たしかに、彼は勝利をおさめ、実績を積み重ねていた。
しかし、戦が重なるにつれて兵たちの疲弊は蓄積されていった。
「どうせ、俺たちが報告を上げても意味はないさ」
「だろうな、俺たちの話しはどうせ聞いてもらえないからな」

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ある戦の最中、その指揮官はまんまと計略に陥れられた。
「クソッ、なんで誰も報告を上げてこないんだ」
指揮官は最期にそう言い残し、無数の矢に射抜かれたと云う。

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