見出し画像

【映画感想134】M3GAN ミーガン/ジェラルド・ジョンストン(2023)


あらすじ

研究員のジェマある日両親を失った姪・ケイディを引き取ることになったが、うまく関係を築けない。
そこでケイディの世話をさせるため、開発中のロボット<M3GAN(ミーガン)>を自宅に連れてきたが、ケイディを守るためのミーガンの行動は徐々に常軌を逸したものになっていき……

感想(ネタばれあり)

ミーガンの真意や、ラストのオチに想像の余地があって面白かったです。

人に危害を加えた段階でミーガンはロボット三原則の呪縛から逃れていると思うのですが、
それでも「ケイディの保護」をしようとしていたのは何故なんでしょうか。
ヒヨコが初めて見たものを親だと思い込むような存在意義を求める本能のような部分が存在するのか、愛に似たものがあったのか、それとも人間社会に存在するための行動なのか。

ラストで保護対象であるジェマに叩き潰されてしまったミーガンがこの先なにを行動原理にするのか、予想がつかないことが恐ろしくも面白いです。

続編が制作中?という記事を見た気がするのですが、ミーガンのデータを盗もうとしていた社員のシーンがあったのでもしかしたらオリジナルミーガンvsニュータイプミーガンの争いになるのかも…!?と思うとどうなるかとても気になります。

両親を失ったケイディの心の傷へのアプローチとしてミーガンが「あなたの思い出を保管できる」という恐怖への対策を提示するのに対し、
ジェマは「同じく大切な存在を失った」という共感を示す。
ここで「人間には心があるので共感ができるが、機械にはそれができない」というAIより人間を選ぶというアンサーが提示されるのですが、
逆に言うとここ以外に人間が勝てる要素ないんじゃない?
と思ってうっすら怖くなりました。

大人たちに対するミーガンの行動ってちょいちょいツメが甘いというかボロが出てたのですが、
(耳をちぎるシーンの隠蔽の杜撰さとか)
これって情報収集の優先順位がジェマの保護に関するものだったからじゃないかなと思うんです。
ラストシーンの後、おそらくクラウド化したっぽいミーガンが凄まじい速度で人の心を学び、心のある存在として完璧に振る舞えたなら何が起きるんでしょうか。

SF好きな方の考察が聞きたい一作でした。


この記事が参加している募集

映画感想文

映画が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?