Narumi Kawase

絵を描いています。 映画の感想を毎週水土に更新中。

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週2で映画の感想を100本書いてみた結果

去年の12月から「映画を見て週2で感想をネットにあげる」というのをはじめてみて、無事100本達成したのでやってみた感想を書いていこうと思います。 【ルール】 ・毎週水土21時に映画の感想をSNSにアップする ・noteに感想を書く→Twitterにリンクを貼る ※インスタはnoteとの互換性がなく予約投稿が手間だったのでやめました 【効果があったこと】 ①文章量がふえた 最初のサイコを見た感想がこれだけなので、直近の感想を読み返すと特に50本目をすぎたあたりから同じ時間で

    • 【映画感想135】ミークス・カットオフ/ケリー・ライカート(2010)

      あらすじ1845年のオレゴンで、広大な砂漠を西部へと向かう白人の三家族。近道を知っているという案内人のミークを雇うが、目的地に近づく様子はない。徐々に減っていく水、蓄積する疲労に不信感が募っていき……。 感想(ネタばれあり) ケリー•ライカートが描く西部開拓劇。 他作品の例に漏れず、カメラを向けるのはどこにでもいそうな普通の家族たちです。 水が無くなっていく恐怖や焦りだけでなく、 冒頭の何気ない無言のやりとりなどでうっすら死が背後に迫る中で日常を保ち続けようとするよう

      • 【映画感想134】M3GAN ミーガン/ジェラルド・ジョンストン(2023)

        あらすじ研究員のジェマある日両親を失った姪・ケイディを引き取ることになったが、うまく関係を築けない。 そこでケイディの世話をさせるため、開発中のロボット<M3GAN(ミーガン)>を自宅に連れてきたが、ケイディを守るためのミーガンの行動は徐々に常軌を逸したものになっていき…… 感想(ネタばれあり)ミーガンの真意や、ラストのオチに想像の余地があって面白かったです。 人に危害を加えた段階でミーガンはロボット三原則の呪縛から逃れていると思うのですが、 それでも「ケイディの保護」

        • 【映画感想136】SISU 不死身の男/ヤルマリ・ヘランダー(2023)

          あらすじ第2次世界大戦末期フィンランドの荒野。 金塊を求めて愛犬ウッコを連れて荒野をさすらう老人アアタミ・コルピはナチスの戦車隊に襲われるが、アアタミの正体はかつて300人ものソビエト兵を殺した伝説の兵士だった…!! 感想(ネタバレあり) みんな大好き伝説の老兵もの。 大事なネタバレをすると犬は無事です。 この映画で1番アツいところが主人公のアアタミが使用する武器がツルハシ一本というところだと思いす。銃器など要らぬ! 金塊を換金しようとしていましたが、やっぱり武器を買

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          【映画感想133】金の国 水の国/渡邉こと乃(2023)

          全体的な感想2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得した岩本ナオの同名コミックの映画版。原作ファンとしては大満足の完成度でした。 ※漫画詳細↓ セリフも展開もほぼ原作のままでありつつも、原作にないアングルや動きが追加されたことにより画面が奥行きが生まれていて楽しい。エンドロールで各キャラクターの「その後」が描かれるファンサービスもよかったです。 音楽はヴァイオレットエヴァーガーデンの方らしく、また声もサラディーンの神谷浩史さんをはじめハマっており全体的にクオリ

          【映画感想133】金の国 水の国/渡邉こと乃(2023)

          【映画感想132】ウェンディ&ルーシー/ケリー・ライカート(2008)

          前回見たオールドジョイの次に公開されたケリー ・ライカート監督作品。 主人公ウェンディの唯一の財産はボロボロの車と愛犬ルーシーだけ。 旅の途中で万引きで捕まって解放された後、ルーシーの姿は消え車は壊れてしまう。頼れる人もいない知らない町でウェンディは孤独にルーシーを探し続ける…と言うストーリー。 ここだけ聞くとウェンディの町の人々との出会いと心の変化を描くヒューマンドラマのようでもありますが、この映画の特徴は助けてくれる人がほぼいないと言うこと。 ルーシーの表情も固く、

          【映画感想132】ウェンディ&ルーシー/ケリー・ライカート(2008)

          【映画感想131】オールド・ジョイ/ケリー・ライカート(2006)

          あらすじ妊娠中の妻と暮らすマークとつかみどころのない生き方をしている旧友カート。 久しぶりに再開した2人はキャンプに出かけるが、なかなか会話は弾まない。 感想(ネタバレあり)先日見た「リバー・オブ・グラス」が気になって次作(短編除く)も見て見ました。2人で山奥のキャンプに行く静かな映画。 前作同様、登場人物同士の心理描写が良かったです。 まず冒頭の主人公と妊娠中の奧さんの会話の解像度が高くて、旧友からキャンプのお誘いがかかってきた夫が「妻に聞いてみるよ」と電話口で言うの

          【映画感想131】オールド・ジョイ/ケリー・ライカート(2006)

          【映画感想130】ゴールデンカムイ/久保茂昭(2024)

          野田サトルの漫画「ゴールデンカムイ」の実写化。 邦画で「実写化」と聞くと思い出してしまうのは悲しい事例の方が多く、制作発表が出たときには正直「また似ている旬のアイドルや俳優で固められたり恋愛要素が盛られた別の映画になるんだ……」と思っていました。 が、実際に見て見たら俳優陣の演技や作り込みなどこだわりがとんでもなく、「実写映画」という言葉に対するネガティブイメージを覆すような一作でした。 特に印象にのこったのが俳優陣の役作りで、「ああ、このキャラならこういう仕草しそうだよ

          【映画感想130】ゴールデンカムイ/久保茂昭(2024)

          【映画感想129】健太郎さん/高木駿輝(2019)

          ※ネタバレあり感想 斉藤家には赤の他人、"健太郎さん"が同居している。奇行を繰り返す彼は殆ど言葉を発することはなく、夫妻はどこか怯えたように彼を丁重に扱っている…… という不気味はシチュエーションの短編映画。 冒頭で健太郎さんが夕食を犬食いするシーンが強烈なインパクトがあり引き込まれました。 家族がみている幻覚とか幽霊なのかな?と思ったら近所の人にも健太郎さんは見えていて、 じゃあこの人一体だれなんだ…!! とますますわけがわからなくなってさらに怖くなっていくのがよか

          【映画感想129】健太郎さん/高木駿輝(2019)

          【映画感想128】リバー・オブ・グラス/ケリー・ライカート(1994)~淡々と描かれる何者にもなれずに歳を重ねた焦燥感

          はじめにこんにちは、語彙力をなんとかするため200本目指して週2で映画の感想を書いている絵描きです。今回はリバー・オブ・グラスを見ました! (インスタ→https://www.instagram.com/narumi_k523/) あらすじフロリダ郊外の平屋建ての家に暮らす30歳の主婦コージー。 夫に対するの愛情は結婚してもなおぼんやりしていて、 子供が生まれても期待したような激しい母性愛を感じない。 単調な日々に少しずつ鬱屈した何かが蓄積して行く中、 バーで出会った男・リ

          【映画感想128】リバー・オブ・グラス/ケリー・ライカート(1994)~淡々と描かれる何者にもなれずに歳を重ねた焦燥感

          【映画感想127】ヴィーガンズ・ハム/ファブリス・エブエ(2022)-殺したヴィーガンの肉が意外とうまかった。倫理観ギリギリの爽やかカニバリズム映画

          あらすじ売れない肉屋を営む夫婦がある日うっかり殺してしまったヴィーガン。 証拠隠滅のため解体した肉を食べてみたら……うまい!!!! 始まる新しいビジネスの予感!!!!! ひと狩り行こうぜ!!!! 感想(ネタバレあり) もうあらすじから不謹慎ネタ満載なのですが、 あまりにもテンポが良くてさらっと笑わせてくるうまい(美味い)映画。 特に開始3分で ・肉屋の経営がうまく行っていない ・夫婦で方向性が違う(売上より肉質重視の旦那とそれに不満がある妻) ・ヴィーガンの襲撃にあう

          【映画感想127】ヴィーガンズ・ハム/ファブリス・エブエ(2022)-殺したヴィーガンの肉が意外とうまかった。倫理観ギリギリの爽やかカニバリズム映画

          【映画感想126】点/石川慶(2017)-昔好きだった男にうなじを剃ってもらう話

          あらすじタイトルまんまです。 感想(ネタバレあり) 30分以内で終わる短い映画で、二人の会話のみで進んでいきます。 ちょっとした声色でなんとなくこの2人なんかあったのかなという距離感がじんわり滲み出てくるのが主演二人の演技すごいな〜と思いました(そして次の2、3分後のセリフでやっぱりそうか〜〜〜ってなるスピード感) 舞台がほぼ床屋の中ですが、カットが細かく変わるので退屈しない感じがしました。冒頭の床屋の棚とか、ポストのサビ具合とか、年季の入ったものと強い日差しのコントラ

          【映画感想126】点/石川慶(2017)-昔好きだった男にうなじを剃ってもらう話

          【映画感想125】VORTEX/ギャスパー・ノエ(2023)

          あまりにも語彙力がなさすぎるので週2で映画の感想を書いています。今回はギャスパー・ノエ監督の「ヴォルテックス」をみました。 【あらすじ】 『肉体より先に魂が壊れる全ての人へ』 妻が認知症を発症してから徐々に追い詰められていく、ある老夫婦の生活を2つの視点で追う映画。 【感想(ネタバレあり)】映画館で見ました。認知症の妻が家の中を徘徊するシーンなど、漫画でいうと同じコマを繰り返し続くような、単調なシーンが多く座席にじっと座ってみるのがちょっと辛かったです。 冒頭の歌う女性

          【映画感想125】VORTEX/ギャスパー・ノエ(2023)

          【映画感想124】アミューズメント・パーク/ジョージ・A・ロメロ(2021)

          あけましておめでとうございます。 あまりにも語彙力がなさすぎるので週2で映画の感想を書き始めた映画好きの絵描きです。 去年100本突破したあたりから更新が止まり気味になり、今年こそは200本!!と一念発起で再開しました。週一に減らしたりするかもしれませんが気合いで行きたいと思います。 高まれ語彙力! 感想(ネタバレあり)アマゾンプライムで視聴。あらすじのところに「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。」としか書かれてなかったのでどんな映画なんだろうと思ったのですが、遊園地

          【映画感想124】アミューズメント・パーク/ジョージ・A・ロメロ(2021)

          【映画感想123 】場所はいつも旅先だった/松浦弥太郎(2021)

          世界のどこかではいつも朝がはじまっている…という詩を思い出すようなAmazon プライムで見たドキュメンタリーです。 旅先で回したフィルムにナレーションをつけているもので、 カメラをむけるのは深夜や早朝に働くひとたち。 夜やなんとも言えない寂しさや焦燥感を感じることがありますが、どこかでは深夜にも煌々と灯が灯っているのおもうとなんだかほっとする感じがします。 ナレーションなしで淡々と外国の街を眺めたい人は、おなじくAmazonプライムにあるダゲール街の人々も好きかも。

          【映画感想123 】場所はいつも旅先だった/松浦弥太郎(2021)

          【映画感想122】バグダッド・カフェ/ パーシー・アドロン(1987)

          大人になって知るコーヒーの苦み ■自己紹介■あまりにもなさすぎる語彙力をなんとかするために200本目指して週2で映画感想を書いています。今回は「バグダッド・カフェ」を観ました。 ■あらすじ■荒野のモーテルにある寂れたカフェ。 コーヒーマシンは壊れ、閑散とした店内ではピアノが同じ旋律を繰り返し、住人の心は擦り切れていた。ある日やってきたひとりの女性客をきっかけに、止まっていた時間がゆっくりと動き始める。 ■感想(ネタバレあり)■①やっぱり色と音楽が最高の映画 小学生くら

          【映画感想122】バグダッド・カフェ/ パーシー・アドロン(1987)