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冷えには3つのタイプがある

~「靴下重ねばき」は足冷えを救わない!~



施術をしていると、お客様からよく聞かれることがあります。
「足の冷えがひどくて・・・靴下を重ねばきしているのですが・・・」
確かに、靴下をはくこと自体は悪い事ではありません。
しかしどんなに靴下を重ねてはいたとしても
衣に守られているだけで、自ら熱源を発せるような体、
つまり“足の冷えやすい体質が変わるわけではない”ですよね。
冷えの根本的な原因とは何なのでしょうか。
今日はそんなお話をしたいと思います。


さて、改めて足の冷えがお悩みのかたへ。
靴下を何枚もはくような方法で過剰な保護をしすぎていると、
ますます寒さに耐える力、つまりは耐性を奪われてしまうことにもなりかねません。
靴下を何枚もはいて、夜寝る時も手放せない!という人ほど
足の冷えが治ったという話を聞かない気がするのは・・・私だけでしょうか?

■ 陥りやすい誤り(靴下過剰は交感神経?副交感神経?)

自律神経を基準にすると分かりやすいかもしれません。
(下を参照)

靴下過剰などにも言えると思うのですが、、、自らを鍛えずに何かに依存して守ってもらおうとすること、つまり、過保護すぎることは、過剰な副交感神経優位状態に陥りやすいということになります。
そうなると、冷えには絶対必須科目である、代謝はますます鈍くなります。そして、悪い境遇に耐えて自ら強くなろうとする耐性というものを育てることができなくなります。

過剰防衛は逆効果!

本人自体は何も変わっていません。依存しすぎは禁物なのです。
とはいえ、逆に耐性をつけようとスパルタにし過ぎることも問題であることを忘れてはいけません。
鍛えるために靴下を履くな!ということを言っているわけではありませんが、靴下はあなたを鍛えて育てて温まる体にしてくれているわけではない!
という考えがまずは大切です。

どうやったら自らが温まる体になるか、ということが健康の効率化、
これぞ本当の温活!
というお話になってきます。

そして、過剰なスパルタにも問題があるというお話をここで一つ。
必要以上にスパルタが強すぎれば、当然ながら、耐性をつけるどころか体が痛めつけられます。それが免疫低下です。

ある方の実際のお話です。

仕事もバリバリこなし、夜遅くまで残業し、睡眠不足でもトライアスロンをこなすような方がいらっしゃいました。
周りも元気な人だと思っていたし、ご本人も自分は元気だと疑わず、自他ともに認める、これぞ健康な人!だったそうです。ところがある時大きな病気にかかり、あっという間に亡くなられてしまったと聞きました。
これは明らかに交感神経過剰で、交感神経の緊張により自分の疲れにすら気づかなったのでしょう。言ってみれば本当の元気ではなく、ハイな状態。アドレナリン過剰放出です。それを健康だと錯覚したのです。
交感神経すぎることは、痛みや疲れなどの体のサインを見逃すことにつながります。免疫低下にも、病気が進行していることにも気付くことができず、体が蝕まれてしまったのです。

全ては、過保護ならいい、スパルタならいい、ではなく、バランス!自分には何が足りていないのか、それが交感神経的要素なのか、副交感神経的要素なのかを知ることが大切です。

さて、話を戻します。
それでは「足の冷え」、何をするのが大切なのでしょうか。順を追って原因から考えていきましょう。

■ 足の冷えの原因とは?

冷えは大きく分けて、3つの原因からなると考えられます。

この図は、冷えとも取れますが、熱の問題とも取れます。冷えと熱は紙一重。言ってみれば、「頭熱足寒の図」です。

●原因①
上の段のふたつは、典型的な頭熱足寒の図です。
熱が上に持っていかれ、手足が冷えている状態。背骨や頭方向に向かって上に血流が登っていきます。
こんなに背骨や頭の方向に血流集まって上っていたら、頭は熱を持ち、眠りの質も悪くなります。もちろんですが、背中や肩や首も血流が凝り固まってガチガチの状態になります。言ってみれば、これが肩こりが起きる原因であるとも言えます。
緊張したりすると、頭や顔がカーッと熱くなるのも、このような現象が、交感神経になることで一時的に起きるからです。慢性化すると、この状態が当たり前になり、慢性手足冷えの原因になります。交感神経ドライブがかかり過ぎたら、リセット!することで、足冷えが起きるのを防ぐことができます。

●原因②
下の段の左は、全身の表面がアチチ!の状態です。なので、ご本人は体が熱い!と勘違いしている状態です。しかしながら、これはいわゆるのぼせやほてりであり、表面だけが熱を持った状態。むしろ原因は中冷え!だから起きると言っても過言ではありません。外ばかり熱くて体の中は冷えている状態です。
このような時は落ち着きがなくなり、焦燥感なども出やすくなります。これまた非常に眠りづらくソワソワしやすい状態と言えます。厄介なのは、表面が熱いことで、ますます冷やすものを摂取してしまいがちになること。しかし、冷たいものの摂取で体の中身を冷やせば冷やすほど、ほてりは止まらなくなります。
こういった、隠れ冷えの状態は、しっかりと体の中を温めることや、自律神経をリラックスさせることでおさまりやすくなるのですが、多くの方は反対の行為をしてしまうのがオチです。

●原因③
下の段の右は、全身の冷えが一番強いタイプを表しています。
元々体力がなく、体温が低く、血液量や免疫の量も少なめのタイプがかかりやすい本格的な冷えのタイプです。他の2つに関しては、エネルギーが弱いというよりは、バランス崩れの冷えと言えますが、こちらは元々の体のエネルギー量、熱量が少ないために起きるものです。
しかしながら、やはりこちらにも言えることは、全身と比べて頭だけ血が上がってしまっているということ。うっすらながらものぼせている状態。頭がスッキリしません。加えて、疲れやすいとなるので、とても体的には辛い状態かと思います。①、②に関しては、自律神経の問題と言えますが、こちらは、プラス、体力が足りない!東洋医学で言えば、「虚」の体質という問題も含んでいるのが特徴です。

要するに、冷えの大まかな原因は「頭熱」があるから。
逆に言えば、冷えるから頭熱になる、とも言えます。
そしてこの状態(体質とは別)は、「自律神経が狂っている状態」、
図で表した全ては、「ストレスを感じている交感神経状態」と言えるのです。

■ 問題は「頭熱」そして「自律神経」

足の冷え単体を治そうとする前に(多くの人が上流ではなく、下流にアプローチをかけようとする…)、頭ののぼせ!これを取らなければ、冷えは取れません。頭の方がセンターなのですから、当然なのです。
神経の王様である頭がセンターであるはずなのに、幹を抑えずして、冷えの出ている葉っぱ(足)だけが治ることはありません。

熱を上や体の表面に引っ張り、頭熱を持たせてしまう交感神経状態を鎮めなければ、
どんなに足だけにお灸をしようと
どんなに足湯をしようと
不毛になりかねないのです。非効率的です。健康の効率化の正反対になります。

靴下は悪くはありませんが、カバーでしかないのですから、体質改善にはなりません。(寒くてカバーするのはもちろん必要ですが、冷えの本質治しではないということです。靴下なくなったら寒い体になってしまうのは体質改善とは言えないのではないでしょうか。)

この「頭熱足寒をどう取るか」は健康において最も大切なテーマの一つであり、VEBIA(我々の療法)で基本的なベースです。

足冷えは、実は、足の問題ではありません。頭熱の問題であり、自律神経の問題です。

血液の分配は誰が決めるか?と言ったら、自律神経なのですから、当然の話ではないでしょうか?症状を取りたいなら原因を探ることが大切です。


■ 効率的な冷え取りのヒント!冷え体質にならないための効率的リセット法

それでは足の冷えを取る、
つまり「頭熱足寒」を「頭寒足熱」にするにはどうしたら良いのでしょうか。

●ポイント①頭の凝りをほぐす
つむじ
を中心に、下に向かって少しずつずらしながら刺激し、ほぐしていきます。
滞留した血液と気を下へ下へと流します。耳まわりや、側頭部などもストレスで流れがうっ滞しやすい場所です。頭に溜まったストレスをまずは崩していくことが大切になります。

●ポイント②お腹を温める
内臓
を温めて、血液がより体全体に行き渡るようにします。
内臓が冷たく緊張した状態のままでは、当然ながら体は血流や熱を手足などの末梢に送ろうとはしません。生命として、どう考えても手足より内臓の方が重要度が高いので、当然の反応です。末梢が冷えてツライのは、末梢に熱が足りないからではない、という典型的はお話です。内臓冷えてて足が温かいという方が、自律神経の体を守ろうという機能が壊れた状態でとても危険とも言えます。
お腹のツボ「中脘(ちゅうかん)」「水分」「気海」「関元」にお灸をするのもオススメです。

●ポイント③腰も温める
腰は足に神経や血流がつながる大きなセンターの一つです。下半身をつかさどるのは腰と言っても過言ではありません。腰(下半身)が安定することで、「頭熱」を起こしにくくもなります。
そして、この腰は、東洋医学で言う「腎」にあたります。
「腎」は東洋医学で生命力の源と言われています。おへその裏側、両手を腰に当てた時に親指があたる場所「腎兪」をお灸などで温めるのがオススメです。無理な場合は、電気などではなく、できれば自然のもので温められるものを探して、しっかり腎気を満たしていきましょう。仙骨を温めるのもオススメです。もちろんマッサージなども有効です。

●ポイント➃爪もみをする
には神経線維が密集しています。生え際を「痛気持ちいい」くらいの力で刺激することで、自律神経のバランスを整え、免疫が正常化していきます。ポイント①②③を取り入れた上で行う爪もみは効果倍増チャンスです!①から➃を順に行うことで効率的に体の中から足の先まで温かい血流が届きやすくなります。
爪もみは普段気付いた時に単品でも地道に繰り返すことも大切です。手軽にこまめに頭に血が上りすぎないようにする「プチリセット」には最適です!

今日からあなたも、足冷え知らず!を目指しましょう。

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