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「優秀な奴隷」の基準に合っていないからかもしれない。

「組織」って、なんなのだろう。大きくなればなるほど、奴隷みたいな人たちで覆い尽くされているように見える。

私が全幅の信頼を置き、順調に成長していると確信している部下が、昇格試験に三年連続で落ちた。

「もう、俺、来年からは受けません」

そりゃ、そうなるよな、って思いながら、「うん。そうだよね」って返し、「この昇格試験攻略が自分の成長に直結するとは俺も思わないし」と付け加えた。

そういえば、久しく私の課からは昇格者を出していない。

私が、何でも自分でやってしまうからダメなのか?

みんなが成長するような適切な指導が出来ていないのか?

みんなに伝授すべき経験や考え方、情報を伝授していないということか?

ぐるぐると、追い詰める言葉が浮かぶのだけど、どれも腑に落ちない。

きっと優秀な奴隷の基準に合っていないからなんだろう。なさじの元からは、それが上手く生み出せないのだ。

そう思うと、少し心が落ち着く。

とは言うものの、彼にはこれから、もっと「情報」と「私の判断基準」を惜しみ無く連携していくことにした。「情報も判断もどんどん任せていくからね」と伝えた。

 


数日後、「やっぱり来年も、チャンスがあれば昇格試験にチャレンジしたい」と言ってきた。

他の課でこのたび昇格した知り合いと話をしたら、何か攻略の糸口が見つかったようだ。

この一年で、彼がどんな成長を遂げるのか。隷属性を高めて終わるのか、それとも、もっとハイブリッドな新しいリーダー像を創出するのか。この一年がなさじ課長にとっても、大切な一年になると心に刻んだ。

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