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ポエム「追伸 僕は元気です」

じんわり汗ばむ異国の風が、
帰り道に吹き抜けて、僕の背中を後押しする。
早く帰ってシャワーを浴びたい。

仮住まいに戻るとポストに一通の封筒。
開けてみると、可愛らしいピンク色の便せんに、

『あなたの帰りを待っています。どうぞ体には気をつけて』

の一文。

メールで済むような、この一文を伝えるために手紙を送ってくれた彼女の心を想い、にやけてしまう。

彼女の筆跡は、とても丁寧で温かくて、人柄がにじみ出る。指で文字を一文字一文字撫でて、ぬくもりを少しでも感じようと試みたりする。

そうか、もう日本は桜の季節だ。
早く帰りたい。早く帰って彼女を抱きしめたい。
あと少し、あと少しの辛抱。

今年の春は一緒にあの淡い桃色の花びらが降る街を歩こう。そして離れて過ごした時間分、たくさんの思い出を作ろう。

明日は休日、彼女に似合うペンダントを探しに、少し遠出してみようか。

遥か遠く、彼女の住む街へと続く夜空を見上げながら、くしゃっとした笑顔をぼんやり思い出す。

(終わり)

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この詩は以前、書いた詩のお返事になってます。

ポエム「拝啓 あなたの帰りを待っています」https://note.com/nashinoo123/n/n3f27364b4ad6↓

遠距離恋愛、そして手紙にまつわるショートストーリーを書きたかったのです。

余談ですが、私はたまにグッとくるデザインの切手を見つけてしまうと買ってしまいます!手紙を出す機会はあまりないので、ほぼ収集目的での購入です。
最近は、My旅切手シリーズが好きです。