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蚊遣器

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ゲームでは僕のメッシはお相手のメッシに劣る。みんな大好き

電線に垂れる光の水滴を風やカラスが振り落としてゆく

通勤がバスから徒歩へ変わる日の、公明党のポスターないな

気のふれた人さえ口にマスクしてわかる世界が変わったんだと

一秒に二十銭しか稼げないバターは切れてないやつでいい

女とつく肩書き滅びてしまっても馬鹿が他人のメダルを囓る

生きるという単機能しか持ちえないあなたのギターあなたの言葉

星をみるための椅子かな放置され星をみている椅子になってる

千切りに解されていく白菜を喩えるあたりに嘘が混ざるわ

蚊遣器の穴から煙生きるって迷惑ばかりかけ続けること


(2021年7月、まだ足は着く)

「蝉時雨」みたいな言葉を発明するまで続けるよ。