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【詩】「3月9日」

あいにくの雨だ
駅への道で革靴に忍び込んできていて
少し、というか、かなり不愉快だ

まぁ、そのうち乾くんだろうけど

僕が送ったラインのメッセージに
あの子がよこしたスタンプ
意味が読み取れずにとりあえずスルー

たぶん、こちらの意味も伝わってないんだな

思い通りに過ごせたらかなりラッキー?
そんな一日は振り返ってみてあったっけ?
そもそも「思い通り」の「思い」って何だっけ?
疑問符ばかり連なる僕の悪いクセ

ケガがいっぱいでも笑って駆け回っていた
そんな幼い頃からだいぶ時間は経っていて
痛みの理由や種類は変わって
今や癒えない傷なんてものも抱えてる

それでもとりあえずは笑っていたい
TEDでも誰かが言ってたようなこと
昔の人は言ってたよな
ワラウカドニフクキタル

今は曇り空
今日は晴れの確率が高いはずだった
けど、予想は外れるために存在してる

もうすぐ春だから、なんて強がって震えた

あの子は僕のこと好きなのかな
言葉を欲しがってしまうのは
感受性の低さをさらけ出しているんだろうな

笑っていてくれることにありがとう
そう思えたらいいんだけど

あるがままに過ごせるなんて奇跡的?
そういう人生がやっぱり幸せなんかな?
ここに「在る」それってどういうこと?
分かってるのに分からないフリをしてる

いつでもとりあえずは笑っていたい
どうしょうもなさは付きまとうけど
ネガティブもポジティブも僕だから
スベテハウケトメカタシダイ

訳もわからずただ笑ってはしゃいでた
そんな幼い頃からこれだけ時間が経って
この身にこの心に色々とこびりついて
笑顔の浮かべ方もやっぱり変わってる

今日は「ありがとうの日」なんだって
昔、誰かが教えてくれたっけ
ささいなやりとりをふと思い出す
その誰かに再び会うことは叶わないんだけど

それでもとりあえずは微笑んでいたい
そして、出会ってきた人全てにありがとうと
何が起こってもおかしくないこの世界
こうして生きている自分にありがとうを

ようやく晴れ上がった空を見上げた
もう春が近づいている
これからも生きていく 
そのキセキにありがとう


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