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【わたしの幸せな結婚】感想 | 美しく気高い目黒蓮

2023年3月に公開された映画「わたしの幸せな結婚」。
本日からPrime Videoで見放題ということでさっそく視聴しました。
映画館で観たかった!



●映画公式サイト


●Prime Video視聴 ページ


●きっかけはミーハー心

昨年の夏頃からSnowManそして目黒蓮くんを推すようになった私。
この映画の公開時はあまり関心がなく、ジャンル的にアクションもファンタジーも普段はなかなか見ないため、映画館での鑑賞はしていませんでした。

その後、目黒くんを好きになり、SnowManを好きになり、ファンクラブにも入りすっかりファンになった私は、目黒くんの過去出演作をかたっぱしから見るようになりました。
はい、新参ファンのミーハー心です。

そこでずっと気になっていたのが、この「わたしの幸せな結婚」。
ファンの方の中での評判であったり、色々な賞を受賞したりで、気になり始め。
ただ、「そんなに良い作品なのか…?」と、原作も知らないくせにどの口がという感じなのですが、いまいち熱量の上がらないところもあり、この度もともと加入していたPrime Videoで視聴出来るということで、観てみたわけです。
公開初日に観る程度にはしっかり楽しみにしていました。

さきほど書いたように、ジャンル的にはあまり興味のなかった作品。
観終えた今、感想を一言で言うなら、映画館で観たかった
「目黒くんを拝めるなら」と、映画に対するリスペクトに欠ける邪な気持ちで観ようとした2時間前の自分を殴りたい気持ちと、どんな理由であれ観ると決めた自分と握手をしたい気持ちで胸がいっぱいです。


●美しく気高い目黒蓮

「美しく冷酷無慈悲な主人公・久堂清霞」。
目黒くんが演じた役柄ですが、この「美しく冷酷無慈悲な主人公」をこれほどまでに体現出来る人がいるでしょうか。
はい、いました、目黒蓮です。
スクリーンに久堂清霞として映る彼は、常に美しく気高かった。

今田美桜さんが演じる圧倒的孤独を生きてきたヒロイン斎森美世との出会いから、久堂清霞とのラブストーリーが描かれる作品。
久堂清霞も、大きな孤独を抱える孤高の人物で。
美世と出会った頃の久堂清霞は特に、冷たくて、無慈悲なイメージのキャラクターなのですが、それを演じる目黒君がまさに「美しく冷酷無慈悲」
美世と出会い、美世を想い、少しずつ心がほぐれ、人間らしい感情が垣間見えていくのですが、笑っていても、慌てていても、照れていても、怒っていても、闘っていても、何をしていても、常に気高さがあって

もちろん、たくさんのお芝居の準備をされた努力の賜物の演技力から成せる技ですが、お芝居以外にも、目黒くん自身にある品の良さ、気高く凛とした感じが久堂清霞と重なり、作品中ずっと美しく気高かった。
最初の登場シーンから物語の最後まで、その美しさには心を掴まれました。


●世間の「目黒蓮」のイメージ

多分彼のファンの方って皆さんそうだと思うのですが、目黒くんって、クールにカッコつけてくれてるキラキラオーラ満開のスーパーアイドルレンメグロモードも超絶イケてるのだけれど、それよりも普段の無邪気な感じ、少年ぽさ、あのメンバーといる時とかにガハハって笑うような素朴な可愛らしい感じが良くてキュンときて沼るんですよ。(ですよね?)

ただ、彼をよく知らない人にとっての、ファンでなく世間にとっての「目黒蓮」って、「クールな正統派イケメン」っていうイメージだと思うんです。
全然良いことなんですけれど。

私もファンになる前、それほど関心が高くない頃、SnowManや目黒くんは名前は知っているよ程度だった頃は、目黒くんって歌番組や雑誌の表紙などで目にすることが多くて。
そうすると、目に入ってくるのはスーパーアイドルレンメグロモード(当たり前のように言ってるけど何それ)の彼なので、キラキラして、クールで、かっこよくて、ちょっと流し目で首元に手を添えて色気があって、みたいな、そういうカッコイイ人のイメージでした。

だから、その頃の私が抱いていたような目黒くんのイメージで彼を見る人にとっては、この映画の予告映像などで久堂清霞を演じる目黒くんを目にすると、特に違和感なく、ああなんか似合うな、いつもの感じね、っていう印象にとどまってしまうかもしれません。
もっと言うと、この作品で受賞された数々の賞がありましたが、それについても、あまり良く知らない場所から物を言う人からすると、ゴリ推しでファンが盛り上げたんだろうな、くらいに思う人だってたくさんいると思うんです。
ヴィジュアルで選ばれたんでしょ、とかね。
公開前も後もたくさんの言葉が浴びせられたんだろうな。
でも、彼のファンになった今だから言える。
目黒くん、この久堂清霞ってきっとすごい苦労して演じたんじゃないかな。
だって、ファンが知っている彼とは全然違いますもんね、久堂清霞。
黙ってるとクールな感じとか、口数の少なさとか、品とか、共通点もあるけれど、久堂清霞の冷酷さを、人間に興味がなく感情を失ったような冷酷さではない、立場や成すべき事を踏まえた覚悟としての冷酷さとして演じて、そこに説得力を持たせ、かつ視聴者に伝わるように見せるのは、難しかったと思います


●目黒蓮の「久堂清霞」

久堂清霞は、劇中基本的にずっと表情はクール。
冷酷無慈悲モードの時は無表情だし、美世と出会ってから少し感情が動き出す時も、これまでの人生であまり感情をむき出しにしてこなかった人物だから、表情や仕草はぎこちなくて。
でも、ただの無表情じゃない演技力があったからこそ、久堂清霞がひとつのリアルとして存在して、これだけ作品が評価されたのだと思います。

目黒くん、やっぱり顔が美しく骨格も天才なので、無表情でも、そこに居るだけで絵はもちます。
やっぱり私は今やただのファンなので、美しいな、輪郭綺麗だな、顔のパーツの配置が天才なんだけど特に耳の位置が完璧なんだよな、声までいいんだよな、怒鳴り声良すぎない?怒鳴られたい、なんていう、邪フィルターはやっぱりそれなりにかかってしまっているとは思いますすみません。
でも、久堂清霞を演じる目黒くんは、ヴィジュアルや人気だけで真ん中に据え置かれたアイドルじゃなかった。

無表情のような冷徹な表情から透けて見える、押し殺された感情とか、孤独、強さ、繊細さ、不器用さ、そういうものが、ちょっとした表情筋の変化だったり、目だったり、声色からとてもよく表現されていて。
表情に乏しく口数も多くない役柄だからこそ、表面だけなぞったようなお芝居だときっと視聴者が2時間もたないし、久堂清霞の生っぽさが失われると思うのですが、そのあたりのさじ加減がとても絶妙で、これはすごく考えて計算されていて、かつ、感情でちゃんとお芝居をされているんだろうなと思いました。

目黒くんがよく、この作品の監督である塚原あゆ子さんからお芝居のベースになるようなものを教わった、と話しているインタビューを目にしますが、今回この作品を鑑賞して、久堂清霞を演じる彼を見て、きっとこのあたりのさじ加減や居方について色々なパターンからどこをとるべきか迷った時なんかに、監督との対話の中でこのお芝居へと導かれたのかなと、なんだか勝手に納得しました。
いやすみません、全然部外者なのでほんと勝手な想像なんですけど。

なんと言うか、「美しく冷酷無慈悲な主人公・久堂清霞」というキャラクターをつくろうとしてお芝居を組み立てた、というよりも、久堂清霞という人物やその心にしっかり向き合った結果あの美しく冷酷無慈悲な表情になった、という感じ。
美しく映ろう、冷酷でいよう、というわざとらしさのない感じ。
それがとても良かったし、そうやって演じた役柄や作品が評価に繋がったことは、彼の大きな自信と報いになっただろうなと、本当に勝手な想像なんですけど、思いました。


●TAMA映画賞での評価

2023年10月5日に発表された、第15回TAMA映画賞。
この作品で主演した目黒くんが最優秀新進男優賞を受賞しましたが、その評価コメントがこちら。

『「わたしの幸せな結婚」において、現実世界とかけ離れたキャラクターを華がある演技でスクリーンに焼き付け、観る者をとりこにした。アクションで動きのキレを魅せる一方、美世への想いの移ろいを繊細な感情表現で演じきった。』

作品を鑑賞した今、このコメント、とっても素敵だし、人気がどうこうではなく本当にちゃんと俳優さんとして評価を得たのだなと納得です。

「華がある」は本当にその通りで、先にも書いた品格、美しさ、気高さもそうですし、アクションシーンでは髪の毛の毛先まで操れる異能があるのかと思うくらい、長髪をなびかせたアクションや所作が美しくて
これはぜひ映画館のスクリーンの迫力で鑑賞したかったです。

あと、実写化する上では目黒くんの体格の良さも説得力のひとつになっていたと思います。
多くの人間を率いて憧れられる圧倒的実力者であり孤高のリーダー、国を守る人、という立場の人間として、あの身長、体格、大きな手、などなど、ひとつひとつに華があり、説得力がありました。
それに加えて、きっと真心込めてたくさん考えて計算して、でも根っこにちゃんとある気持ちがこぼれだすような繊細な感情表現。
素敵だったな。

ごちゃごちゃ書いたけれど、かっこいんですよね、久堂清霞が。

多分、原作ファンの方にとっても、目黒くんファンの方にとっても、この作品の映画としての世界観にとっても、久堂清霞って圧倒的にかっこよくないといけなくて。
それを最初の登場シーンから最後のシーンまで貫き通したお芝居には、全力で拍手を送りたいです。


●そして流れる「タペストリー」

エンドロールで流れるSnowManの「タペストリー」。
目黒くんのソロから始まって、「目黒蓮 (SnowMan)」の文字が流れて。
ちょっとぐっときてしまいました。

この作品は目黒くんの初主演映画ということで、彼のファンの方、SnowManファンの方にとっては、本当にたくさんの想いで迎えた公開だったのだろうと思います。
きっとたくさん喜んで、たくさん盛り上げて、ドキドキしながら作品を観て、色々な結果を残し評価を受ける度に誇らしくなって。
ファンの方にとっても本当に想い入れの深い、大切な宝物みたいな作品だったのだろうと想像に容易いのですが、そんな気持ちで映画館でこの作品をご覧になったファンの方が、ラストに流れるタペストリー、そしてエンドロールの「目黒蓮 (SnowMan)」の文字を観た時に、どれだけ感動したのだろう。
そう想像するだけで、ぐっときてしまいました。

そして何より、いつもグループのためにとお仕事をしている目黒くんが、SnowManの曲が流れるエンドロールを見てどれだけ嬉しかっただろうかと勝手に想像するだけで、胸がいっぱいです。

「タペストリー」、この作品を観て、もっと好きになりました。
公開後1年も経ってから視聴した私ですが、遅ればせながら、やっと同じ気持ちになれたような気がして、今とても幸せです。


●塚原監督の世界

長々と書きましたが、最後に。

美世を演じた今田美桜さんのお芝居もとても素敵でした。
今田美桜さんって、イマドキの女の子だったり、気が強い感じの役どころの印象が強いかもしれませんが、昔からこういう繊細な感情表現が本当に上手な俳優さんで。
今回、美世のか弱さ、虐げられてきた幸薄な感じから、おしゃれをした時の可憐さ、久堂清霞に心を開いていく様子など、物語の世界観の中で少しの違和感もなく美世を演じられていて、とても素敵でした。

そして、塚原監督の作品はやっぱり、いつも人の感情に丁寧で、苦しさや悲しみを美しく繊細に描いて、救ってくれるあたたかさがあって。
さらにこの物語を2時間におさめ、絵としてもストーリーとしても成立させる技術がやっぱりすごいなと思いました。
役者さんに対するリスペクトと愛情に溢れている監督ですよね。

色々な設定があるものの、シンプルに、久堂清霞と美世のラブストーリーとして観ても楽しむことが出来る作品だったので、アクションやファンタジー好きの視聴者、原作好きの視聴者以外の、出演者目当てでの視聴者にとっても観やすいように解釈して構築してくださった作品だと思います。

観てよかった!


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