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夏空

気づけば紫陽花は色褪せていた。
ツツジが彩っていた街路をオシロイバナがたくましく陣取り、塀から覗き込むテッポウユリが香る。
夏が来る。
あるいはもう来ているのだろう。
名前に刻まれた季節は未だに苦手だが、それでも特有の空の青さは待ち望んでいる。
飲み込まれそうな、包み込むようなあの、青を。

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