見出し画像

暁に消える人

「時間」
「ん……」
「何か食べる?」
「いいや、帰ったら飯あるだろうから」

服を着てさっさと玄関へ向かう背中を見送る。

「じゃあまた」

肩越しに告げられたのはいつも通り先の見えない約束だった。
カーテンの隙間から漏れる暁光が忌ま忌ましい。
朝が来ても貴方が隣にいるなら、美しいと思える筈なのに。

■ □ ■■ □ ■■ □ ■
言葉の行方様企画『暁』

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?