スポーツ上達のために子どもに必要なこと【理学療法士になってわかった重要な点】
小さなお子さんを持つ親御さんや少年団の指導者など、子どもにスポーツが上手くなって欲しいと思っている方々は多いと思います。
しかし、そうは思いながらも「どうやって教えたらいいのかわからない」と感じているのではないでしょうか。
この記事では、理学療法士になり10年以上経過した今だから感じる、「こうやって運動してきたら、自分ももっと上達したのにな」という点について解説します。
何か特定の競技のスキルといった話ではなく、もっと根本的などんな競技にでも通じる話になります。今回はその中でも総論のようなお話になります。
自分自身は小さい頃に気が付くことができなかったポイントをぜひ、お子さんに伝えてあげてください。
それでは、いきましょう。
♦︎自分の身体(カラダ)扱い方
よくスポーツ中継で解説者が、「身体の使い方が上手ですね」というところを聞いたことがあるかと思います。
なんとなく「そうなんだな」と思って聞いていることが多いですが、果たして「身体の使い方」とは何なんでしょうか。
ぼくの中の一つの回答としては、姿勢とバネと考えています(あくまでもぼく自身の考え方になります)。
球技であれ陸上であれ、何かの競技を行う場合には動作を行います。動作(動きがあるもの)というのは姿勢(止まっているもの)の連続です。
ですから、動く前の姿勢がしっかりしていなければ、動作になってもうまくいきません。姿勢は、ただ立っているとか、片足立ちなどもそうですし、野球のバッターが打つ前の構えなんかも姿勢になります。
「どんな姿勢がいいのか」が気になると思いますが、一旦バネの話にいきます。バネの話をした後に姿勢と関連付けながらもう一度まとめるので少しお待ちください。
「バネ」という言葉もよく聞きますよね。一般的によく海外の選手のスーパープレーを解説する時に決まり文句のように利用されている気がします。
このバネについてもぼくなりの見解があります。簡単にいうなら、反動をつけずに力を出すことです。身体の部位によって別の言い回しになることはあるので、この辺りはまた別の機会に解説したいと思います。
姿勢とバネの簡単な説明まで進んだところで、先ほど勿体付けたところに話を戻します。この説明を次から進めます。
♦︎環境の扱い方
環境というのは、人間の外部ありながら常に接しているものを指します。例えば、地面や重力などがそうです。
どんなに筋力が強くバネがあったとしても、スカイダイビング中ではその効力は全く発揮できません。空気を蹴って進むようなことはできませんから。
人間は基本的に地面の上で重力の影響を常に受けます。これらの影響は無視することはできません(水泳は水の抵抗と浮力のように変化はします)。
この環境の中で特に重要なのが、地面です。
「まっすぐ立っている」とき、地面には足の裏だけが接しています。この足の裏に重力によって発生した体重がかかり地面を押しています。そして、地面からはその力と全く同じ力で押し返されています。
このように地面から力をもらうことで人間は動作ができるんです。
日常生活ではほとんど意識されません。そして一般的にはスポーツ場面でも意識はされません。ですが、スポーツをうまくなろうと思う場合はこのように地面から力をもらっているという感覚はすごく大事になります。
♦︎”力”の理解
本記事の最後は、"力"の理解の重要性についてです。力にはいろいろなものが存在します。筋力ももちろんどうですし、反力、摩擦力、張力、重力・・・とたくさんあります。
この力というものを感覚的に、身体的に理解できるとパフォーマンスはかなり上がると考えています。
うまい子とそうではない子の違いはこのあたりを感覚的に理解できている子なんだと思います。当然、知識があるわけではないと思いますが、その子が生まれてからなんとなく体感したのでしょう。
詳細はまた次回以降に委ねるとして、一つ例を上げると、「力一杯バットを振れ」なんかはかなり落とし穴ですね。
野球のバッティングでボールを遠くに飛ばそうとすると、一般的には力一杯バットを振ろうとします。当然と言えば当然なんです。だって誰も本当のことを教えてくれないんですから。
力というのは、F=maという公式があります。みなさん、覚えていますかね。学生自体に物理を選択したいた方ならおそらく授業で出てきているはずです。
Fは力です。mは物体の質量、aというはの加速度と言います。この式を読み解くと、力(パワー)というのは、重たいものが速く動いている時に発揮されます。
先にほどの野球の文脈で言えば、重いバットを速く振るとパワーが発揮されます。ここでも大事なのは、速く振ると力むは全然別の話なんですね。
このように、近くにいる大人が完璧じゃなくても理解することができると、間違って方向に進んでいくことを止めることができます。
さらには、怪我の防止や上達の近道にだってできる可能性があるんです。
今回はここまで。
次回からも、親が知っておきたい子供に伝える運動の知識をお伝えしていきます。
それでは。
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