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「桜」のなかの「ソメイヨシノ」さん

さまゞ(ざま)の事おもひ出す桜かな
芭蕉
夕桜家ある人はとくかへる
一茶

ソメイヨシノは、江戸末期~明治初期頃から栽培されているサクラの園芸品種ということで、「俳諧で詠まれている桜はソメイヨシノではない」と歳時記の解説。芭蕉とか、一茶が詠んでいるのは、どんな桜だったのでしょうか。

そして「ソメイヨシノ」さん。
Wikipediaからのコピペですがソメイヨシノという品種まで含む学名は下記のようになるらしい。
Cerasus ×yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki ‘Somei-yoshino’

数年前に、図鑑で「染井吉野」さんが、単一の樹をもととするクローンだと知って驚いたのを覚えています。個体は、けっこう大きく、それなりの数があって、それがみんな同一の遺伝子をもっている生物って、そんなにないのでは…と。

さくら咲きあふれて海へ雄物川
森澄雄
まだ固き教科書めくる桜かな
黒澤麻生子
帰港せし漁船を洗う朝桜
甲斐遊糸
じつによく泣く赤ん坊さくら五分
金子兜太

散りはじめた桜の花びらが、しっとりと重なっていました。

十重二十重(とえはたえ)ふみあとの色朝桜
なつこ

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