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【エッセイ】 整理

これはあっちの箱、これはこっちの箱。
そうして自分にとって必要なものを仕分けて行ったら、ある程度残ったものが見えてくる。
これが私に必要な量だったんだと思い知った時、改めて自分がいかにカロリーを抱えていたのかを思い知る。
ものの整理は時間がかかるとはいえ、一度手につけると最後まで終わらせやすいのが良いところではある。こうして重い腰をあげてやり始めた整理も、一区切りつきそうなところまでやってきた。
「ねえ、これはどうするの?」
ふと聞いてきた問いに対して私は答える。
「あーこれはあっちかなー。まだ使うかわからないもの」
「OK」
そう言って彼女はあちらへ持っていく。
私にとっての「保留」はとても曖昧なものだ。
白黒はっきりしないグレーゾーンと言われる保留も、保留の定義自体が曖昧だったりする。そもそもこれってどうして保留にしているのか、とか。
正直、曖昧なままにするのは良くないから、捨ててしまいたいのが本音だったりする。それでも、いつかまた、使うかもしれないと思えばこそ残しておこうと思うのだ。これはまだ、必要なもののはずだからと信じて。
先走って買ってしまったものや、いつか使うかもと思って買ったものが結局使われないなんて良くあることだから、必ずしも使うものと断定できない。それでも、希望だけは持っていたい。
いつの間にか埋め尽くしていたいらないものを処分したおかげで、心なしか気持ちが軽くなった気がした私は窓を開けて換気した。
入ってきた風が冷たいながらも、どこか梅の香りがして心地いい。
明日にはよく晴れた日が続きますように。

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