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朝ドラ「虎に翼」の契約結婚~「逃げ恥」再び?

本日の朝ドラ「虎に翼」では、ヒロインで弁護士の寅子が真剣に婚活を開始。
理由は裁判官になった密かに思いを馳せる花岡(岩田剛典)と再会。だが婚約者と一緒で、しかも自分の正反対の控えめな女性。寅子は失恋がはっきりわかって大ショックを受けます。猛烈に悔しかったのでしょう。
花岡は、家庭に入り、赴任先にもついてきてくれて、父親の面倒も見てくれる相手を選んだのです。寅子の弁護士としての才能や能力を潰したくないという理由もありますが、人間というものは自分の幸せを一番に考えるもの。愛より自分の人生を選ぶのは、多くの人に見られることです。
寅子は「社会的な信頼度、地位を上げる手段として、結婚したい!」と婚活の目的を掲げ、真剣にお見合いをしようとするのですが、相手がいません。若くないという理由で。このあたりも、今も“あるある”の「男の結婚の条件」に当てはまりますね。当てはまらないケースはおそらく愛ありきの結婚(あるいはお金などの打算)でしょう。

社会的な信頼度、地位をあげるための手段としての結婚の推移

社会的な信頼度、地位をあげるための手段としての結婚というのは、インターネットが浸透する前の時代に多く見られたと記憶しています。
どちらかといえば、「社会的な信頼を得るため」は男性の結婚の条件の一つで、女性がこの発言をしたということは、女性の社会進出が当時よりかなり進んだことを物語りますね。

番組の終わりで、元猪爪家の書生で現在は工場勤務の優三(仲野太賀)が寅子にプロポーズします。彼は昔から寅子のことが好きでしたが、そのことを正直に言えず、「社会的地位を得るための結婚相手、ぼくじゃダメでしょうか?」と立候補。
寅子は「同士だね」と握手を申し出ます。寅子は本当に鈍い女です。恋愛に愛して興味がないのでしょう。
目的が同じだから「契約結婚」を掲げた寅子ですが、大ヒットドラマ「逃げ恥」と類似しています。さて「逃げ恥」のようなハッピーな結婚になるのでしょうか。

仮面夫婦も実は「契約結婚」

「契約結婚」は、これまでスポットが当たっていませんでしたが実は仮面夫婦のほとんどが契約結婚だと思っています。
 社会的な地位や名誉のため、経済的な理由のため、子供のためなど、本当は別れたいのに我慢して一緒に暮らしている「仮面夫婦」はお互いの利益が一致するという理由から事実上の「契約結婚」といえるのではないでしょうか。
でも相手に対する感謝が生じると情が絡みますから、別れない理由にもつながっていきます。

「働く女性は結婚しておいた方が得よ」という女性の結婚生活とは?

 さて今日の朝ドラを見て、ある女性を思い出しました。
「社会的な信用を得るため」と明言しなかったものの、「働く女性は結婚しておいた方が得よ」と述べたワーキングウーマンの大先輩のことです。
「結婚しておいたほうが得」の理由は「婚活するための時間や労力がかからない、決まるまでの心理的な葛藤から逃れられる」と、まるでコスト削減のような理由。さすが有名企業で役職まで昇りつめた女性です。部下の管理もしっかりしているのだろうと感じました。
女性は夫と二人の娘さんがいる家庭を持ち、仕事以外に趣味や働く女性のためのシンポジウムなどを開催する等、大活躍だったので、夫からサポートされているのだろうと羨ましいと思ったこともありました。

ところが10年ほど前に「卒婚」というテーマで取材者を探しているときに、「私もそうよ」と取材者候補を名乗り出てくれ、そこで実際に話を伺うと、その女性の結婚生活があぶりだされ「意外だ」と感じました。

有名企業の役職まで昇りつけた女性は若い頃から財テク、特に不動産を所有していました。夫がカメラマンというフリーランスのため、銀行から融資を受けるのが大変だったそうですが、有名企業に長年勤務している実績を掲げて「私だけの年収で返済できる」と説得して審査が通したというやり手です。
最初のマンションは港区の狭いワンルームマンション。賃貸にしようとしたのですが、カメラマンの夫が仕事場にしてしまい、いつの間にか住むようになり、夫婦は別居。最初は仕事のない日や土日に帰ってきましたが、娘たちが20歳を超えてから、全く帰らなくなったそうです。
妻が購入した港区のワンルームで自由に生きる夫と、さらに財テクを勧める妻。
その女性は追加で都内に二つのマンションを購入し、一つは賃貸にし、中央区にあるマンションをレンタルルームに。かつて私が主催する女性応援のイベント会場の候補としてレンタル料を尋ねたところ、私の家賃の一か月分いう高額なレンタル料に、目が飛び出るほど驚いたものです。知り合い価格ではなく、ビジネスライクとしての値段に、「しっかりしている」と唸りました。

20年以上別居した夫との関係は、仕事仲間。彼女が依頼する案件で時どき一緒に仕事をしたり、家族の行事では、夫ができるだけ参加しているそうです。
長年別居している夫婦。それでも離婚せずに「卒婚」という女性は、夫に対する愛情なのか、それとも別れる理由がないかのどちらかではないかと、感じたものです。ひょっとすると「離婚はコスパが悪い」と思っているのかもしれません。

若い頃は恋愛感情で結婚したものの、途中から夫婦も価値観が変わってしまったかもしれません。夫は妻の不動産投資のおかげで自由を手に入れたわけですから、別れる理由もないのでしょう。

人は変わる。相手も変わる。夫婦の価値観も変わる。結婚に対する意識も変わる。
結婚というのは、日々の積み重ねから、いつの間にか変わるという流動的なものだと思います。

話をもとに戻しますが、寅子と優三の契約結婚から始まった夫婦関係はどうなるのでしょう。優三役の仲野太賀には不幸が似合わないので、私はハッピーな結婚になるのではと予想していますけどね!




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【受賞歴】
「英語でリッチ!」(14人のインタビュー集アーク出版刊)第12回ライターズネットワーク大賞受賞

【YouTube】
「コロナ時代の患者力」
https://youtu.be/TnHSmplCSu0

【ドラマ再現化】
TBS「ワールド極限ミステリー」2021年10月13日放映
CAたちのセクハラ上司逆襲!
https://www.tbs.co.jp/program/worldlimitmystery/20211013.html

https://www.youtube.com/watch?v=1z2UiPV8hYM

【その他】
2007年 10万人に一人の難病・ギランバレー症候群を後遺症なしに完治。再発の可能性もほぼゼロと診断され、元患者としてテレビにも出演(フジ「特ダネ!」、テレビ東京「生きるを伝える」)など。


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