見出し画像

そらいろ

10時20分ごろの空が一番好き。11時だと白すぎて、9時もまだ違くて。10時20分の空の色が、大好きなんだよね。


とあるインタビューを読んだとき、わたしの心はどうしようもないくらい揺れた。


言葉の主は、わたしが10年以上恋をしているアーティスト。
恋、と言うと語弊があるかもしれない、憧れと言ったほうがスムーズなのかもしれないけれど、本当にわたしは、彼の作る言葉や歌声や音楽に支えられ生きてきたのだ。
彼の一挙一動にこんなにも影響を受けてしまうのだから、もうこれは永遠の片思いというほかにない。

今までに幾度となく彼の言葉が突き刺さり、わたしの心を揺さぶってきたけれど、この言葉が目に飛び込んできたとき、わたしはもうどうしようもなくなって、深いため息と共に視界が滲むのを感じた。

そんなこと言われたら10時20分になる度にあなたのことを思い出してしまうじゃないですか。
10時20分になる度に、わたしも空を見上げてしまうじゃないですか。
この空の色をあなたは好きなんだなって、わたしもこの空を好きになってしまうじゃないですか。

何よりあなたが、一番好きな色の空を探してしまうような、そんな些細で優しい生活の中で暮らしているなんて、その事実だけでわたしは幸せだよ。
そんなあなただから、たくさんの人に愛されて、歌を歌い続けているんだね。

これを機に、わたしもわたしの好きな空を探そうかな、なんて。
朝でも夜でも10時20分でもいい、わたしが心休まる空を見つけたいな、と思った。

わたしがずっとずっと彼に恋し続けているのは、こんなふうに彼がわたしの「好き」をどんどん増やしてくれているからというのも、理由のひとつなのかもしれないな。





この記事が参加している募集

noteでよかったこと

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ