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連作短歌:ビジネスパーソン


新人を叱り落ち込んでる君のストゼロがまた残る真夜中

鉄橋を渡る通勤電車より鴎、だろうか、知らないけどさ

チームワークみたいなフリー素材みな捨ててランチに出るひとりきり

ミッキーのタトゥーが笑う女より魯肉飯を買い外で食う

始末書にあなたが捺した判のいろくれたプリンの甘さもあかい

武勇伝わめくじいさんらの横で強めにデリートを打つ車内

夜空へとチューハイを開けヤなことはミュートしません肴ですから

昨対比、なら愛情はマイナスと君の寄越したグラフは捨てる


私、夏野ネコには、デモグラフィック的コードから自由になるための設定があるのですが(いちおうある、機能はしてないかもしれない)、実体はもちろん普通に生きている人間です。
詩の中にある「わたし」には、飾りのない本当の私がいなければならないって言うかいて欲しいのだけど、ゆえにこそ「わたし」の持つ社会的な氏素性を不可分にすることが、ときにできないこともある。

あー、まぁ普通に会社員です。と言う短歌です。すみません!
職業詠と言うほどのことはないですし、最近どうにも仕事が忙しいのと体調が思わしくないのとで低調ですが、でも身の回りの出来事を、仕事の中でこそ良く見ていくのはいいかもしれないな、と思った11月です。
うお、もう気づけば年末の声が!


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