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「1人法人」の未来は3パターン?マイクロ法人の思考回路

博論を書ける気がしません、夏野です。

最近、「博士号取ったらどうすんの?」系のご質問をたくさんいただくようになりました。そんなの私が一番知りたいんですけど、結論、そういうことは博士号を取得してから考えたいと思います。

そもそも出せるかどうかが不明ですし、出せたところで「意味不明でワロタw」っつって審査に落とされる可能性もあるわけで、捕らぬ狸の皮算用はしちゃダメです。地道にやっていきます。

それはさておき先週は、先日公開したこちらのnote↓をきっかけに、X(旧Twitter)にてスペースを開催しました。ご自身のお話も交えながら上手にまとめてくださったかたおかゆいさん(@yuuuuui_ka)、ありがとうございました。(スペースの内容は、今週中に記事化予定です)

それと前後して、弊社Webサイトからご連絡をいただいたマイクロ法人(1人法人)の方々と立て続けにお話をする機会がありました。

想像以上にマイクロ法人って多いんだな、と知ると同時に、(少なくとも現状の夏野が見えている範囲内においては)マイクロ法人の行く末は3パターンに収束することがわかってきたので、それぞれの特徴と、今後やってみたいことについてまとめます。


パターン①「目指せ、労働基準法の向こう側」タイプ

スペースでのやり取りも含め、世間的な「法人化」のイメージと近いのがこのタイプです。

仕事が好き。お金が好き。労働基準法と健康寿命の向こう側へ最短最速前進常勝!!!!なイメージです。(誇張していますが、いわゆるワーカーホリックタイプが多いのは事実かと思います。)

仕事を型化し、組織を作り、自走させるプロセスが好きな人が多いので、会社の規模もそこそこまでは大きくなります。が、どれだけうまくいっても「右腕」はおらず、せいぜい中間管理職がいればラッキー、大体の場合は「自分-業務委託の方」という単純な組織なので、シンプルに健康寿命が脅かされます。

よしんば組織化に成功したとしても、今度はバリバリやっていたプレイヤー時代が懐かしくなり、「そろそろまた、夜中の2時まで発狂してえな……」とか考え始めます。

たぎっているので、自社サービスやM&Aなどにも関心を持ち始めます。が、このあたりで「右腕」がいないことが効いてきて、「やるのはいいけど、誰を責任者に据えんの?」という理性が働き、なかなか手を出せない状況が続きます。

お察しかと思いますが、私のことです。

が、どうやら同じ状況に陥る人は決して少なくないようです。資金とガッツで一発逆転してみたい。とはいえ無茶なギャンブルはしたくない。その合間で何らかのブレイクスルーを求めている人が多いような気がしました。

パターン②「あれ、これって会社員じゃね?」タイプ

実は多いのがこのタイプみたいです。

1人でやっていたら売上が上がってきたので、節税目的で法人化。その後も順調に仕事を受注してきたものの、順調がゆえに会社員+αの労働時間になっている。

そのうえ個人事業主時代よりも気楽に動けないことが増えてきて、「どうせ週5で働いてるし、会社員のほうが楽なのでは?」と思いはじめるパターンです。

1人ですべてをやるとなると、新たな取引先の開拓、条件の交渉、実作業、検収、請求、会計、問い合わせへの対応、SNSでのブランディング……などなどが一気に降りかかります。

もちろんその分、稼ぎも増えるわけですが、結局のところ1日は24時間なので天井の見える戦いですし、ずっと稼ぎ続けられる保証もありません。

なおかつ、会社員としての働き方も柔軟になってきました。これまでブロッカーになりがちだった「そうはいってもフルリモートで働きたいし」「この仕事だけは続けたいし」という思いが、リモート可・副業可の会社が増えたことによってクリアされやすくなったというか。

安定した収入を得られ、仲間がおり、ライフワークも続けられるとなれば、会社員として頑張る道もアリだなと思い始めるパターンです。

(とはいえ、会社を畳むのもそれはそれで面倒と考える人も多いようです。ブレイクスルーを求めている点は①と共通するかもしれません。)

パターン③It’s My Lifeタイプ

このタイプの方は、働く理由をお金ではなくライフスタイルに置いており、店舗を構えていることもあります。

地元が好き、子どもに関わる仕事がしたい、〇〇の価値を届けたい……など、実現したいライフスタイルと世界観が確立しているので、「非人間的な働き方をして天井を突破するくらい稼いでやる」とは思わないようです。

このタイプの方は人生がとても充実なさっていて、お話ししていてエネルギーをいただけることが多いです。

ただ、ライフスタイルを賭けるからこそ、事業としてうまくいかなくなったときのショックも大きくなりがちなようです。確かに、自分を全否定された気持ちになりそうですよね……。

事業スタンスはライフステージや心境の変化で変わりうる

私は基本的に①タイプですが、お金を稼ぐ理由はあくまでも学費のためなので、③タイプとも言えるかもしれません。つまり、最短最速でお金は稼ぎたいけれども、研究の時間が取れないくらいなら会社は畳みます。みたいな。

これと同じで、「もともとは①だったけれど最近は③寄り」とか、「②のつもりだったけれど、腹を括って①の動きをしてみることにした」とか、ライフステージや心境の変化、人との出会いによってタイプは変わりうるでしょう。

サラッと触れましたが、この「人との出会い」というのがなかなか難しくてですね。以降で少し考えてみます。

出会いを求めている人は多い(が……)

これは夏野が観測可能な範囲内のことなので、属性が偏っている可能性も大いにありますが、法人化するくらいの個人事業主はだいたい警戒心が強いです。

というか、リスクを見極める力があるからこそ、泥沼案件を上手に断りつつ利鞘の見込めるビジネスにコミットできるわけで。性善説ベースで「いっぺん飲めば皆友達!おれの仲間になれ!(ドン!)」みたいな人はあまり見かけません。

ただその一方で、それぞれに悩みを抱えていることも事実なので、同じステージの人と情報交換する機会は求めているようです。

実際に、1:1などで「ここはお互い、腹を割って……」と合意すると、皆さん、あんなことやこんなことを話してくださるんですよね。(もちろん私もお話しします。等価交換ですから。)

どうしてこうなるのか、私もマイクロ法人の端くれとしてすごく理解できます。

もう時効だろうので細部をぼかして書きますが、以前、同じくマイクロ法人の方ととあるビジネスをしてみようかという話になったことがありました。

が、その方とはスタンスが異なり(夏野が①だったのに対し、その方は③寄りだった)、我々のビジネスアイディアを無断で知り合いに伝えた挙句、「この人を入れてやってくれ」と言ってきたんですね。

こちらからすれば、大切なアイディアを漏らしたばかりか、直接面識のない方を介入させるなんて到底承服いたしかねる話です。結局、このビジネスはご破算になり、その方とのご縁も切れてしまいました。

これは1つの事例ですが、法人化を考えるくらいの人であれば、このくらいの出来事は経験していると思うんですよね。一緒にやっていこうと思っていた人と縁が切れたとか、誰かにフリーライドされそうになったとか、委託するはずの人に“飛ばれた”などなど。

人脈のありがたみとともにリスクも承知しているからこそ、ざっくりした交流会にはあまり出席せず、「この人こそ!」というときだけ1:1でコミュニケーションしたい人が多いのかなと感じました。

「メリットがあるときだけつるむ法人の会」やろうかな

私は悲観的な人間なので、大の大人がつるむ以上、そこに何らかのメリットがなければ関係は続かないと考えています。

もちろん、ここでいう「メリット」には、一緒にいて楽しい、元気が出る、などの精神的なものも含まれますが……

「法人化」というトピックに限って言えば、メリット=事業=お金と考える人が多いのかなと。つまり、一緒になってキャッシュフローを作れるかどうかをひとつの基準に置いている人が多い気がします。

(そして、ここをクリアしていれば、壁打ち目的でのゆるい飲み会も歓迎ですよ。という人が多そうな感触です。)

そんなわけで最近では、「メリットがあるときだけつるむ法人の会」をやろうかな、などと考えています。

といっても、誰でも入れる感じの会にしてしまうと警戒心の高いマイクロ法人のみなさんは入ってくれなさそうなので、何らかの基準を設けつつ、少人数でスタートしようかなと。

なおかつキャッシュフローが生み出せそうなスキームを作れないかと、日々頭をひねっています。まだまだ試行錯誤の段階ですが、ご興味がある方がいらっしゃれば、何らかの方法でご連絡ください。

※「法人の会」に限らず、とりあえず夏野としゃべりたいマイクロ法人の方も歓迎です。今のお困りごとなど、お互いに本音で話せればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

フリーランスさんを随時募集しています

というわけで弊社では、優秀なフリーランスさんとのご縁を常に待ち望んでおります。とくに最近は年末に向けて忙しくなってまいりましたので、力を貸してくださる方はいつでも募集中です。

取引先でも、年末に向けてライターさんを募集しています。取材ライターさんはもちろん、SEOライターさんも大募集中なのだとか。ご興味のある方はぜひ、リンク先からご応募ください。(なんかOGP出てないけど、怪しいサイトではないです!)

ならびに、いろいろな方とのご縁を得るためには、いろいろな場所で顔を出しておくことが大切だなと実感しています。つきましては各種イベントへの登壇や寄稿など、どのようなことでもお気軽にご連絡ください。

登壇料などはもちろんいただきませんし、気難しくない人間なので、やりとりで煩わせることもないかと思います。

とくにフリーランス系のイベントに呼んでいただければ、多分いくらかはニュースバリューのあるお話ができるかと思いますので、ぜひ前向きにご検討ください。

ご連絡先:natsuno.kaoru@natsuno.biz

とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。