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初めての献血に行ったら失禁と意識混濁に立ち会った衝撃と、人々の勇気の話

★初めての献血

子どもの頃の夢を叶えよう!ということで初めての献血に行きました。
なかなかドラマチックな展開があり、めちゃくちゃビビりながらの体験で大冒険感あったけど、結果大丈夫だった!
途中まで読むと「献血したくないな」と思わせたいみたいな内容になってますがそんなことないです、いい経験だった!

まず、歩いていける距離に来てた献血カーに向かう。

★事故

ここまでの文章は待ち時間に書いていましたが、たったいま目の前で献血を終えた若い女性が意識がなくなり失禁されるというかなりインパクトのある事件(事故)が。
隣に座ってた男性がすぐ気づいて声をかけたようで、大丈夫ですか!?という声にも反応せず、目を開けたまま上を見て苦しそうな顔。目がどんどん濁っていき、失禁している。スタッフさんが大きな声で、聞こえますか!?わかりますか!?おーい!と、しばらく叫んでも反応せず。
簡易ベットに頭を下にして寝かせたら、少しずつ反応できるように。

始まる前からいきなりビビる出来事があったわけですが、健康で献血できるってそれくらい奇跡なんだ、と思いましたね。

ちなみに簡易ベッドを広げるのがスムーズに行かず私が手伝ってる間に、おじいちゃん先生が呼ばれて来たんですが、先生の足に簡易ベッドが落ちるまた別の事件が。(私のせいではないです)
意識のない女性の横で先生が「折れた!こっちが無理やで!」て言って倒れそうになるカオス。おじいちゃんを助け起こし椅子に座らせました。

女性に、「ちょっと体触りますね」と声かけてベッドの真ん中に移動させたら、気がついていて、「よく(気を失ったのが)わかりましたね」と返事してくれた。「大丈夫ですよ、」てお声をかけた。
先生も、「これはすぐ戻るよ」とのこと。(それより足は大丈夫すか…)
そこに看護師さんが来て、(もはや)患者さんとお話始めたので、手をアルコール消毒して、場所を離れた。

★献血って

女性は努めて明るく受け応えをする。なんて勇気と優しさのある人なんだ。

ここで彼女の名誉のために断ると、ほかの血液提供がそうであるようにこの人はヒーローだ。決して無理な献血や、献血によって犠牲を払うことを美化するつもりはない。あくまで不慮の事故、起きちゃだめだ。でもこの人は善意でリスクのある行為のひとつの結果であって、勇気のある人だ。この事故で恥ずかしめられるべきじゃない。

ああななりたいが、別の意味でああなりたくないものだ。
もらったお茶をめっちゃ飲む。これから400ml抜かれるのに、私はまだ280ml入りのお茶を飲み干しただけだ。
夢を叶えるのは簡単じゃないもんだ。

小さい頃、「献血てものがあるんだな、大きくなったら行こう」と思っていたら、10代はずっと服薬をしていたので大きくなったからといって献血はできないということがわかった。
その他にも、3日以内の服薬だとか、4週間以内の海外渡航だとか、新しい相手との性的接触だとか、明日具合悪くなったら困るだとか、意外とハードルがある。

このたびのリモートワークで、緊急事態宣言が出てから図らずも丸3日間は家から出ないで過ごせたので、何の用事で外に出よう?と考えたところ、やってみたかった献血に行くのはいい理由に思えた。
だってもし寝込んでも明日は日曜日だし、明後日も電車に乗って出勤しないし。

もう始まる前からドキドキしてしょうがないんですが。

★いよいよ血を採られる

順番が来て採血にあたり、看護師さんに「初めての献血でちょうど倒れるのに立ち会ったんだけど、よくあるんですか」と聞いたら「献血できる基準の人は健康だから大体の人は大丈夫、ただ体質や気持ちで倒れやすい人っています」とのこと。安心したけど「よくあるかどうか」はわからず笑

私は血管が細くてちょっと採血のスピードは遅めだが、看護師さんと話しながら本を見開き分読む間に終わった
400ml採血されると、血液のパックはパンパンになる。おもしろい。血って抜けるもんなんだなあ。

立ってみたら、確かに身体の感覚は違和感がある
例えると、貧血のとき、肩こりすぎたとき、低気圧のとき、血行悪くて頭痛がするとき、低血糖のとき、くらい。ちょっと痺れていて、意識が薄い。寝不足のときのように鋭敏に考えられない感じ。
私はいつも自分の具合が悪いのか判断するのが難しいと感じるんだけど、これが400ml失血した場合の感覚だとしたら、上記の状態は間違いなく具合が悪いと言って正当だろう。それが分かってよかった。

★その後

ひとしきり休憩して、会場を後にする。
とりあえずビビっているので、道の端をあるく。横断歩道を渡るのもビビる、車道の真ん中で倒れたらすっごい嫌。行きは2キロ歩いて来たんだけど、いい子で電車に乗ることにました。でもホームの端で倒れたら転落するから、真ん中で待つようにとのこと。シビれるぜ。この場合のシビれるは貧血によるものではないです。ホームへの昇降もエスカレーターはやめてエレベーターにする。

と、いう帰路を経て無事に帰宅。今日は待ち時間があったので移動を除いて2時間くらいか。

まとめると、
・「大丈夫」な範囲だが、リスクに備えるべき
・貧血には絶対なる、ほんのり頭が痛い
・非日常感、豆知識が増えるなど楽しい要素もある
・献血する人って結構多いと分かり、いつか自分が輸血必要になっても大丈夫だと思えた

現場からは以上です!寝ます。(*2020.4.13 追記あり)

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猫(つんちゃん・オス・14歳)が付き添ってくれる。

★追記(2020.4.13)

その後、自分の献血が終わった時には女性はすでに帰宅していました。なんとなく聞こえてきた当人と看護師さんの会話では、どうやって安全に帰るか相談した上で、赤十字からフォローの連絡が入る(おそらく無事帰宅したか、経過観察など)、さらなる体調不良があった場合は当人からも連絡を入れてもらう、ということになっているようだ。
また、日本赤十字社には献血に伴った医療措置等の医療費の請求制度等がある。( http://www.jrc.or.jp/donation/about/relief/

献血後の意識混濁について、もう少し追記します。
献血等で誘発される血圧低下、徐脈、気分不良、吐き気、失神といった症状を血管迷走神経反応(VVR)といい、副作用の75%を占める。迷走神経が刺激されて血圧が下がり、脈が遅くなることで脳に充分酸素が送れなくなることで起きる。日本赤十字社の基準によると、今回の症状(5秒以上の意識喪失、痙攣、尿失禁)はVVR重症である。
https://www.bs.jrc.or.jp/csk/hiroshima/2017/12/vvr.html

資料*によると、20代半ばの女性にVVR重症が発生する割合は0.04%である。確率論では1万分の1。1回の献血で10人と同席するとしても、立ち会う可能性は千分の1。

資料*
東京医科歯科大学大学院 政策科学分野河原和夫氏
厚生労働省科学研究費補助金研究「献血者の安全確保対策に配慮した採血基準の拡大に関する研究班」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1029-15j.pdf

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