女性社員

私とアンドロイド5

「えーっと、、、1080円ですね。」
穂乃果の気持ちをよそに、店員さんは気だるそうにレジを操作している。

お金を払う。

はやく、はやく、、
心の中で穂乃果は急かす。

おつりをもらうと、穂乃果は急いでお店を出た。
ガララッ

ドアを開ける。

さっきの男の人が角を曲がって行くのが見えた。
目立つ。


白い腕、整った血色感の無い顔。サラサラの黒い髪。


まるでアンドロイドみたい。


穂乃果は急いでその男を追いかけた。
20代前半だろう。大学生だろうか、その割には落ち着きがある。


大通りに出ると、男は人混みに紛れた。
穂乃果はここ最近で一番集中力を発揮した。
五感をフルに使ってその男を探した。
なんとなくこっちかな?という風に思った。
道路を渡る。

穂乃果自身もなぜここまで必死なのかは分からない。
ただ、いまを逃したら、もう二度と会えないかもしれない。
その気持ちが穂乃果を動かしていた。


駅の、地下鉄へ続く階段。
そこまで追いかけたところで、男の人を見失ってしまった。


はあはあ。
久しぶりに体を動かしたからか、息遣いが荒くなる。
梅雨の湿っぽい空気が穂乃果の体を包んだ。
きっと男は地下鉄に乗って家に帰ったのだろう。

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