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6月になったので

 うどんの美味しい食べ方の紹介をします。今日は久しぶりにはなまるうどんを食べました。お店の中はすっかり夏気分で冷やしうどんなんかのポスターが貼られていました。だけどなぜでしょうか。なぜはなまるうどん、いや日本国内に存在するうどん屋さんはとっておきのあのうどんを大々的に売り出さないのでしょうか。あのうどんは夏とはいわず一年中食べられるものです。春夏秋冬いつ食べても美味しい。一口食べただけでほっぺたが落ちてリアル口裂け女になってしまうぐらい美味しいんです。それなのに全国のうどん屋さんは頑なにあのうどんの宣伝を避けるのです。もしかしてあのうどんは一心相伝秘法で世に広められたら困るものだからでしょうか。いや、もし全国のうどん屋さんがそう思い込んであのうどんを隠しているのだとしたらそれは間違いというものです。そんな事をしたらあのうどんを作れる人間はいなくなり、遠い未来にはあのうどんをつくろうにもレシピの文献さえなくなってうどんは地上から消えてしまうでしょう。だから私があえて勇気を振り絞ってあのうどんを紹介します。

 まずうどん屋に入ったらかけうどんを注文して下さい。うどんを受け取ったらまっすぐ薬味コーナーに行ってそこでうどんのどんぶりに天かすをエベレストぐらいに振りかけてください。次に生姜ですが、これは大さじ二杯です。天かすのエベレスト頂上に光トパーズのように輝く生姜は本当に綺麗ですね。それが終わったら最後に醤油ですよ。醤油はもう神様の血です。キリスト教の世界ではワインはイエスの血だといわれますが、醤油はうどんの血なんです。この醤油は五回まわしでかけます。なぜ五回まわしでかけるのかは謎ですが、あらゆる宗教の儀式は謎に満ちています。だから謎は謎のままで良いと私は思います。

 こうして出来たのが全国のうどん屋さんが秘匿する至高のメニュー『天かす生姜醤油全部入りうどん』なんです。このうどんは本当に美味しい。このうどんに比べたらキャビアはゴム玉でしかないし、フォアグラは空気ポンプのゴムでしかありません。一口食べただけで天かすとうどんが生姜の星の煌めく天の川まで運んでくれます。こんなうどんを一部の人間だけに独占させておくなんて勿体無い。ノーヘル平和賞受賞者もMOTTAINAIと思わず叫ぶであろううどんをこの機会に是非召し上がって下さい。それでは今日はここまで。ちゃお!

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