見出し画像

ドイツで印象的だった、日本ではあまり見ない光景

順調にいけばあと数週間でドイツに出発だけれど、いまだに夫のビザが取得できていない状態で少しソワソワしている。本当に我々はドイツに行くのだろうか?家の中はどんどんダンボールが増えていくのに、心のどこかでは100%の実感はまだない。早く行きたい気もするし、日本を名残惜しく思う気持ちもある。

数年前から「一度日本を出てみたい」と思っていてそれがやっと叶おうとしている。でも今日郵便局で手続きをして、スーパーの298円の31品目サラダの量に感動し、証券会社の人と電話して、渡航前なので念のため病院で検査して、大好きな和菓子屋さんで草餅の試食をさせてもらって豆大福を買って、クリーニング屋さんで出来上がった洋服を受け取って…といった「街での日常」を生きていたら会う人会う人優しくてこの街を離れるのがとても寂しくなってしまった。私が住んでいる街はメジャーではないし東京といっても田舎の方だけど、5年近く住んでいたら顔馴染みの人も何人もできてお気に入りのスポットも増えて、今もうかなり後ろ髪を引かれる思いだ。雑誌で組まれる「○○線沿線特集」では私の最寄り駅は掲載がなく、なかったことになっている。たぶんこの街の良さは住んでみないとなかなか伝わらないだろうな、と思う。肉屋のおじさんに引っ越しますってまだ言えてないよ、いつ言おう。

もうかなり今「日本センチメンタルモード」だけど気持ちはドイツに切り替えていきたいので、昨年12月にドイツに下見に行った際のことを思い出して書いてみたいと思う。

かっこいい建物、ドイツパンやチーズの目が覚めるような美味しさ、見渡す限りの広大な森…などなど印象的だったことはいくつもあるけれど、一番心に残っているのは見知らぬ人同士のやりとり。ドイツでは見知らぬ人同士が本当によく交流していて、こういう雰囲気いいなぁ、と思った。

例えばホテルの朝食ビュッフェでの出来事。日曜日だったこともあり、ビュッフェ会場は激混み。私たちが会場を後にする頃には30人以上が並んでいた。日本だったらちょっとした緊張感が走りそうな場面だ。

私たちとちょうど同じぐらいのタイミングで会場を出たドイツ人の年配夫婦が、先頭で並んでいた若いカップルに「さぁ空いたわよ!次はあなたたちの番ね」といったようなことをたぶん言っていて若いカップルもものすごくにこやかに「そうね、ありがとう」と言っていた。

このやりとりを見て、すごくかっこいいと思った。上機嫌であることがデフォルトになっている空間。心に余裕がある空間を目の当たりにした気がした。

他にも知らない人同士の交流は度々目にした。

日本食レストランでは隣のテーブルのドイツ人美女2人組に男性2人組が積極的に話しかけていて、フツーに楽しそうに4人で会話をしていた。レストランでナンパって日本だとそんなに見ないですよね。

それから、病院に行きたいけれど道がわからない…というおじいさんを車に乗せて病院まで連れて行ってあげた。(運転していたのは夫のドイツ人上司)


ドイツは確かに日本より便利ではないけれど、それを補うかのように人々の心の余裕を実感することが多かった。その光景を見ただけも、人としての在り方を考えるきっかけになった。

ドイツに行ったらドイツの良いところを積極的に見つけていきたいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?