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読書記録:嫌われる勇気

以前から読んでみたいと思っていたけれど、なかなか手を出せずにいた本書。
有名な「課題の分離」など、すでにいくつかの内容を知っていたので、
勝手に読んだつもりになっていたのかもしれない。

改めて読んでみると、思った以上に実践的な内容だった。
今回は、その中から「幸せになるための3ステップ」を取り上げたい。

幸せとはなにか

アドラー心理学における幸福とは、良好な人間関係を築きあげること。
「わたしは共同体を構成している一員であり、共同体の役に立てている」という実感を得ることが重要である。

人生において幸福を感じるために踏むべきステップが以下の3つである。

①自己受容

ありのままのわたしを受け入れること。
今日のわたしが理想とかけ離れていたとしても、「理想に届かないわたし」を受け入れ、もっと理想に近づくにはどうしたらいいか?というマインドを持つ。

②他者信頼

他者を無条件に信頼すること。
そして、あらゆる他者を自分の「仲間」とみなすこと。
裏切りは「課題の分離」でいえば「他者の課題」であり、「わたしの課題」ではない。相手がわたしを裏切るかどうかは相手の問題でしかないのだから、わたしは一切の条件を抜きにして相手を信じる、という姿勢。

③他者貢献

「仲間」である他者に対して、貢献しようと行動すること。
このとき、実際にわたしが「貢献している」かどうかを判断するのは「他者の課題」なので、わたしとしては「貢献できている」気がすればOK。
間違えやすいが、貢献することは「他者から承認されること」ではない。他者の承認を求め続けていると、いつのまにか自分の人生ではなく他者の人生を生きている状態になってしまう。
他者からの承認によってではなく、自分自身の内から湧き出る貢献感によって、「わたしは周囲の役に立っている」「わたしはここにいてよいのだ」と感じられる。
それが人間にとって、最高の幸福なのである。

実際には他者に貢献できていなくてもいい、らしい

他者貢献といわれて、「自分が他者の役に立てているかどうかを見極めるのは難しいのではないか」ということを最初に思った。
しかし、大事なのはむしろ「自分は他者に貢献できていると感じること」であるということが、読みすすめるうちにわかってきた。
「他者に貢献したと感じられるか」という視点で自分のふるまいを選択していくことが幸福感につながる、というのは新しい発見だった。


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