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突然のお別れ

担当の利用者さんが旅立たれました。
突然の出来事でした。

最後にお会いした時の姿が今でもはっきりと浮かびます。最後にお会いしたのは旅立たれた前日。いつも通りに話をして、運動をしました。
「ありがとうございました。またよろしくね。」
いつも触れていた身体の感触が、筋の張りが少し動きにくかった関節の抵抗感が今もこの手に残っています。
明日行くはずだったスケジュール表の名前が消えて空欄になっていました。

痛みがつらい疾患を持っていた方でしたが、献身的なご主人様と助け合って暮らしていました。
我慢強く身の回りの事も、家事も自分が出来ることはなるべくやりたいと頑張ってこなしていました。

「誰にも迷惑かけないでポックリいきたいわ。」
「死ぬまで元気!ですね!」
いつだったか笑いながらそう話しました。
ほんとにそうなってしまった。

命が尽きる直前までADLは自立していました。
朝、調子が悪いと座り込みそのまま帰らぬ人となったそうです。
遠のく意識の中で最後に見たものは何だったのでしょうか。何を思ったのでしょうか。

私の関わりはこれでよかったのか、
もっと痛みを楽に出来たのではないだろうか
やりたいことはなかっただろうか

いつも別れと直面する度に自問自答します。
答えは出ません。
永遠に出ない気がします。
けれど考える事をあきらめてはけない。

私は訪問リハビリの仕事を通し、利用者さんの人生を通して生き方のヒントを教えてもらっています。私が訪問リハに惹かれる理由です。教えてもらった生き方が私の中に取り込まれていくのです。そうやって私の心を育ててくれている、そう思うのです。

たくさんの人の中から私と出会ってくれてありがとうございました。
共に過ごした日々を思い返しながら今日は空に向かって手を合わせようと思います。

#リハビリテーション #訪問リハビリ #訪問看護 #理学療法士 #エッセイ

皆さんにクスっと笑ってもらえるような、文章を綴っていきたいと思います。