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人工衛星とワイングラス

声だけで、手でさわらずにワイングラスを割ることができる人がいるって聞いたことありますか。

決してあやしい超能力ではありません。実際に可能なのです。難しい言葉が二つ出てきます。1つめが、

固有振動数

です。ものにはそれぞれ固有の振動の仕方があります。一番わかりやすいのは音叉ですね。音叉をはじくと一定の音がします。これは音叉が持っている固有振動数で振動しているのです。音は振動なので、音叉からは一定の高さの音が聞こえます。木琴の音盤も同じですね。音の高さ=固有振動数を変えるために、ひとつひとつ音板の長さが違うのです。もうひとつが、

共振

です。音叉の回りで音叉と同じ高さの音をさせるとどうなると思いますか?最初は何も音がしていなかった音叉から、音がし始めます。これが共振なのです。つまり物体の固有振動数と同じ高さの音を回りで発生させると物体が振動を始めるのです。

1人の女性が回りの女性に話しかけて、話が合う(=波長が合う)とどんどん話が弾んで共振する・・・・ちょっと無理があるか?

ということなのです。

ワイングラスに戻ると、ワイングラスが持っている固有振動数と同じ高さの声をワイングラスに向かって掛け続けると共振が始まります。そして声の大きさが大きいと、共振も強まり、ついにはグラスが割れるのです。

さて、これがどうして人工衛星と関係あるのでしょう。人工衛星をワイングラス、人間の声をロケットからの振動と考えてください。人工衛星を打上げるときにロケットからの振動と人工衛星が共振すると人工衛星が壊れてしまうことがあるのです。

なので、人工衛星を設計する時には固有振動数がどれくらいになるかが重要なのです。

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