見出し画像

今この時代だからこそ意識したい、個人スキルとしての“組織力”

私は社会人になって十数年経ち、今の会社含めて計3社を経験してきました。
過去の2社では制作の現場にいたので、業務の流れとしては下流に近く、メンバーとの連携はあるものの、個人プレーが業務の割合を多く占めていました。


そして、今の会社でマーケティングに携わってみると、上流として戦略の立案や取りまとめを、中流として戦略の落とし込みや施策のディレクションが主な業務となりました。

それにより実に多くのメンバーと関わるようになり、一人で完結する業務は無く、全ての業務において部署を横断しながら複数人が関わるようになりました。


そんな状況で学んだことの1つに、部署間や担当者間での業務連携の重要さがあります。

業務を連携するには「渡す側」と「受け取る側」がいますが、どちらか一方だけではなく、どちらにも"相手を思いやる気持ち"や、"業務を安全に完了させるという気持ち"を持つことがとても大事です。

ですが昨今はテレワークも一般的になり、オフライン上ではできたちょっとした補足や気遣いをすることが難しくなってきました。


なので改めて、こういった時代だからこそ、お互いを思いやる気持ちというスキルが、結果的には組織としての基礎能力を高める重要なマインドセットだと考えましたので、図解を元に紐解いてみたいと思います。



部署間・担当者間のあるべき連携の姿

「渡す側」「受け取る側」それぞれに"業務範囲"や、"ここまでは自分の仕事"みたいな意識があり、それらをまるっと領域とした場合、下図のように、お互いに相手の領域まで入り込んで、業務を受け渡しできていることが組織としてのあるべき姿です。

スライド1


相手の領域に入る、というのは、お互いに相手をフォローできる・している状態です。

例えば…
渡す側:業務用のデータを渡す際、受け取る側が使いやすい・加工しやすいよう配慮してデータを作っておく。
受け取る側:声をかけられるのを待つのではなく、打合せの時間や場所を能動的に設定しておく。

「相手が渡しやすいように…受け取りやすいように…」という意識があると、業務を安全に受け渡しできるようになります。



ありがちな改善したい連携

組織が大きくなればなるほど、部署間で多く発生している連携がこちらです。

スライド2

これだと双方がわざわざ相手の領域に入り込まないので、一番効率的に業務を連携することができます。

とはいえ工場のラインのように、常に全く同じ業務を受け渡すにはこれでもいいのですが、大抵、業務はいろんな形に変化し、時には不安定で持ちにくく、渡しづらい・受け取りづらい形をしている場合もあります。

素材


また、渡す側も受け取る側も人間という生き物なので、バイオリズムの変化によって感情が常に一定であるわけではありません。


いつもとちょっと形が違う業務お互いにちょっと乱暴になってしまった連携、こういったタイミングで、事故は起こるんですね。
もちろん毎回ではなく、ちょっと気が緩んだタイミングに突然やってくる。

そのような事故は火消しに時間がかかることはもちろんですが、根本原因である連携方法を見直さないと同じことがまた起こってしまいます。



絶対にNGな連携①

図を見ていただければもはや説明不要な連携ですね。

スライド3

部署内における上司→部下という縦の連携ではあるのかもしれませんが、それでも程度の信頼関係が無いとNGですし、部署間でこれをやってしまうと、受け取る側からの一方的な非難は避けられません。



NGな連携②

こちらもありがちな連携で、どちらか一方だけが積極的に相手の領域に入っていくというパターン。
これは入っていく側の責任感が強いがゆえの結果で、入ってこられる側はラクでいいのですが、入っていく側の負担はその分大きく、これが恒常的に行われると、どこかで必ず疲弊してしまいます。


下図は、受け取る側が積極的に領域に入っていく場合です。

スライド5

自分のパートでミスをしたくない、安全に業務を行いたい、スケジュール通りに進行させたい、という想いからくる行動です。

特に「受け取り力」が弱い新人時代では積極的に発揮していきたいところですが、過度な侵入は相手によっては不快感につながったり、時には仕事を奪われると思われたり、もしくは相手が怠惰になっていき、結局のところ組織のパワーダウンにつながってしまいます。


こちらは逆に渡す側が積極的に侵入する形ですが、先ほどの例と比べて理由はネガティブです。

スライド4

この場合は大抵、受け取る側が自分の領域にしっかり線引きしており、自分の望む形で業務が来ない限り絶対に受け取らない、というスタンスなので、仕方なく渡す側が侵入しているというパターンです。

(これは完全に個人的見解ですが、このタイプの多くはバックオフィス業務の中でもシステム等の保守系を担っている方に多いのではと思っています。あくまでも個人の見解ですが。)



理想的な連携

そしてこちらがあるべき姿を超えた理想形です。

スライド6

双方がお互いの領域まで入りつつ、受け取る側は業務を最大限尊重して受け取り、渡す側においては、さらに下で支えてあげるという、非常にリッチな連携ですね。

もちろん相手の領域に侵入するということはそれだけ気を使いますし、時間も多く使います。
あくまでもこのくらいの気持ちで連携しよう、という程度で良いのですが、ここまで相手を思いやった連携ができる組織は、さぞモチベーションも高く社内の雰囲気は良いものだと想像できます。



理想的な組織とは?

やはり業務を効率的かつ安全に行えること、また業務を行う上で精神的にも安定できること、が重要だと思います。


今の会社はtoCの事業会社ということで、実にやることが多く、部署や担当を整備しても必ずと言っていいほど、担当部署や担当者が曖昧な業務が常に生まれてきます。

そんな中でもこうしたマインドセットを持つ組織では、部署間にこぼれ落ちる課題や業務などをうまく拾いあげることができるようになると思います。

図にすることこんなイメージ。

素材

お互いがお互いにカバーし合って、業務が担当者間に落ちてしまうこと防ぐことができます。



いかがでしたでしょうか。

世界的に自動化が進んでいても、やはり人と人との連携によって業務は動いています。

また会社だけでなく、家庭でも友人同士でも円滑なコミュニケーションを行うためのマインドセットとして意識いただければと思います。




以上。


===============
ホーム
マガジン一覧

===============
twitterはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?