2020年4月に読んだ書籍一覧📚
今月はこちらの3冊。
📚THE MODEL[福田 康隆]
著者はオラクル→セールスフォース→マルケト→アドビというB2BのSaaS業界を最前線で歩み続けてきたという経歴の持ち主。
この情報から入るとエンジニア的な内容かと思いきや、特にB2Bにフォーカスした経営という視点で、著者がビジネスで最も大事だと考えている「再現性」をキーワードとし、自身の事業をどう体系化し再現性のある「モデル」として落とし込むか、というものを指南的観点で書かれています。
本書は5部(15章)で構成されていますが、2部まではページも少なく、起承転結の起と捉えてください。
メインは戦略・営業やマーケ等のプロセス・人材/組織に関する3部と4部(7~15章)です。
具体的なモデルを創るためのヒントが得られるだけでなく、特に再現性を作り出すためには、あらゆる部分を概念化していく必要があり、本書の至る所でコンセプチュアルな解説が行われているところも魅力の1つです。
個人的に本書の金言は「はじめに」に書かれている、「成功モデルは"完成したモデル"ではなく、"完成に至る過程で行われた何百何千という意思決定のプロセスそのもの"である。つまり"成功モデルを創り上げる過程に関わっていた人"と、"できあがった後に関わった人"との間には大きな隔たりがある。」というものです。
事業という大きなものだけでなく、1つの施策という小さなものにおいても、結局ここで差がついてくるということに、ここ最近しみじみ感じています。
📚オタク経済圏創世記[中山 淳雄]
ブシロードの執行役員が著者ということで、ゲーム(カード、モバイル)やアニメ等のコンテンツがどのようにニッチからマスへ、ローカルからグローバルへその経済圏を拡げていき成功していったのか、「2.5次元の体験価値=ライブコンテンツ化」をメインテーマとして書かれています。
2.5次元の体験価値とは何か?という理解が本書では重要になってきますが、アニメを2次元から2.5次元へと昇華させるだけでなく、プロレスという3次元エンタメも1つのコンテンツとして捉えて、3次元から2.5次元へシフトさせることで新たな価値を生み出すことです。
2.5次元化という表現だと、どちらにもなり切れていない中途半端なイメージを持ってしまいそうですが、実際には「2次元のアニメやゲーム、3次元のタレント・イベントなどの複数のメディアミックスチャネルを同時多発的に巻き込む」という2次元(高コスト、保存性・編集性が高い)と3次元(低コスト、機動性・1回性が高い)を合体させたいいとこ取りなイメージです。
それにしてもなぜアニメとプロレスなのか。
商材が全く異なるように見えるものを同時に語っているため、最初は本書の構成を掴むのに若干苦労するかもしれませんが、著者曰く、両者は「ユーザ参加型(ユーザが自分なりに関与していく余地を大きく残している)、キャラクターと世界観を楽しむ」という点で共通項が多いそうです。
本書は5章で構成されており、1章はコンテンツ業界の振り返りなので、最後にとっておいて、メインコンテンツの2~4章(特に2章)から読み進めた方が理解が早いと思います。
📚変態紳士[髙嶋政宏]
もう完全にビジネス本ではありませんが…。インパクトという点では紹介せずにはいられませんでした。
著者は言わずと知れた俳優の高嶋兄弟のお兄さんの方です。(私の好きなドラマに映画にもなったストロベリーナイトというものがありますが、その係長役もいい演技で、私が好きな俳優さんの一人です。)
何はともあれこの表紙のインパクト!(笑)そしてそのインパクトに引けを取らない内容!
ミュージカルに出演した際にふと感じた「誰も自分のことなんか気にしてないからもっと好きにやってやろう」という想いから、どんどんと"素の自分"を出し始めたということですが、自身で「あの日、僕は"変態"になった。」と書いています。
SMに始まり各種アンダーグラウンドな世界に足を踏み入れ、そして吸収していく様は、芸能人の子供という特殊な子供時代からその片鱗があったのかもしれません。
ここまで自分のことをさらけ出せると、さぞや気持ちがいいだろうなぁと思うくらい自身の"癖"について書いていますが、とはいえただの暴露しているのではなく、性・食・健康・生活いろいろな面で徹底的にに自身の強いこだわりがそこにあることがうかがい知れます。
こういった本は時系列も必要になっていくるのではじめから順番に読むのが一番ですね。
一介のサラリーマンではなく、れっきとした名のある俳優がここまで暴露しているからこそ、また、その内容が"にわか"のようなものではなく想像を超えているからこそ、ここまで面白い本になったのだと思います。
(今ならアマゾンプライム会員だと無料で読めそうなのでもし気になった方は是非)
以上。
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