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たまごサンド

たまごサンドがとても好きです。
母の作るたまごサンドは、粗く潰した卵をマヨネーズで和えて、食パンで挟んだだけのものだったように記憶しています。
兄はキュウリが苦手だったのでもちろん入っていません。
水にさらした玉ねぎや、マスタードやからしの類も入っていなかったように思います。
そのかわり、たまごたっぷり。

共働きの鍵っ子だったので、母は必ず何かしらおやつを置いていきます。
ほぼ手作り。
スナック菓子禁止の掟を破り、ベビースターラーメンを兄と密やかに食べていたところを発見した母が
(なんで悪いことしてると必ず見つかるのかな)
怒り心頭で当時飼っていた犬にベビースターをぶん投げたことが、今でも忘れられません。
(非常に美味しそうに食べていました)

働いているから、手を抜いて育てていると思われたくなかったからか、どうなのかは謎のままですが、
兎に角食事や礼儀作法の教育に手を抜かない人でした。
 
そんな家庭に育ったものの、毎度自分が作るとなるとご飯作りには苦闘します。
人に何かを作るのは好きですし、人が自分の作ったご飯を食べてくれるのは嬉しいのですが、段取りも悪いし料理上手ではなく。
小麦粉や味醂をぶちまけながら霧の晴れない登山をしているかのようなわたしの料理からすると
毎日3食作っていらっしゃる方は本当にすごいなあと思います。
お弁当なんて知の結晶なのでは。

母がたまごサンドを作るとき、ちょっとラクしたいときだったのかなあと振り返ります。
だからなのか、なんとなく安心してあの黄色と白の茶色い耳つき、
どっしりと重たいサンドを食べたくなるのかもしれません。

余談ですが
母とシュークリームを作った時に
オーブンの扉を開けたらふっくらとふくらんでいた
生地が
「シュー」っという音と共にみるみる小さくなって、
シュークリームの語源はそこからなんだ。と幼いわたしは思っていました。

書影「料理が楽しくなる料理」
著 こてらみや
アノニマ・スタジオ
※当店でお取り扱いしております。

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