楽しげに花を殺して占った無邪気なままで机を彫った
正しさを信じて走る夢を見て、それでも上手に泣けなくて、朝
秒針の音がうるさい刻まれる感覚だけで生き延びた過去
気だるげに首をかしげる扇風機はりつく汗が嫌じゃなかった
ぐずぐずに溶けたアイスの実をあげる 濁れ、きれいな絵の具みたいに
見たいものだけ見ていいよ、偽物のわたしはすこしやさしいみたい
冗談と夢と言い訳 適量はちゃんとわかっていたはずだった
(元気だよ、どうしようもないほど元気)電気を消してまぶたを閉じる
換気扇うるさいねって言い合った201号室の角部屋
手をとって踊りたかった行き止まり 後悔なんてくくりにするな
2019/10
#tanka #連作