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積み木は危ないおもちゃ?

こんにちは。Neiroです。
先日Instagramで、「保育園や幼稚園に積み木ある?」というアンケートをストーリーズで流したのですが、その回答をご紹介します。

ない派
児童館にも「危ないから」という理由でないです

ある派
でも厳重にしまいこまれています
自由に使っていいですが、2箱くらいです。
自分の背より高くは積んだらダメです。

こんな感じで比率としては、1が一番多かったです。
私自身も、積み木の仕事をしていると、多くの保育士さん(保育士ママさん)に出会いますが、やはり「危ないから」という理由で園にはないというかたが多く、「自由に遊んで良い」という園には出会いません…

これまで、そっか、危ないからか…と納得してきてしまっていたのですが、本当に危ないのだろうか?と疑問に思う出来事があったので、ちょっと考察します。

ある日の保育室

保育室に積み木が置かれていました。
いろんな積み木の寄せ集め?なのか、段ボールにがさっと入っていて、
同じ種類の積み木かなぁと思うものもあるんですが、明らかに触り心地の違う素材のものもあったり。。そんなセットで、立方体が全然ありませんでした。

それを2歳児と1歳児が手に取って遊び出したのですが、「ばんばん!」と鉄砲に見立てて友達に向けています。
これはこれで、ごっこ遊びなんでしょうが、こういう遊び方がいわゆる「危ない」って映るんですよね。保育者の目には。
その後も足で倒したり、箱にぞんざいに投げ入れたり…
「もうちょっと丁寧にやろう」と声をかける光景が続きました。

私がやっている積み木ワークショップでも、積み木で戦隊ごっこや、積み木で何かを殴る、叩くetc  …を始める子は何人か見たことがあります。ただし数人です。その子たちを思い返すと、共通点があります。

自宅で積み木遊びをあまりやっていない子
に多いんです。経験値が少ない。
経験値が少なければ、遊びのレパートリーも少なくなるのは当然なのですが、
もう少し解像度を上げると、保育者(保護者)の積み木(おもちゃ)への興味が薄いことが挙げられます。「積み木なんて与えておけばいい」という感情が伝わってくる親御さんが多かったです。

 さて、なぜ、積み木の活動の中で「数人」しかこのタイプの子供に出会わなかったか。それは(ワークショップに来るような)積み木が好きなお母さん方はきちんと「積み木との接し方」を家庭で子どもに伝えているからだと思っています。

例えば「積み木は大切だよ」「積み木は踏まないよ」「積み木も痛いって思ってるよ」など、正しい積み木との触れ合い方を言葉にして、丁寧に伝えてきているかたが多い。

だから、保育室で出会う子たちが乱暴な扱いをするのも無理ないな、と思ったのです。だって「積み木と遊ぶための導入」がなされていないまま、ドン!とダンボールに入った積み木を与えられているのだから。

積み木はただ積めばいい、並べればいい、シンプルなおもちゃではあるのですが、それが「何も指導のいらないもの」「子どもが勝手に遊ぶもの」という導入など不要なもの、というわけではないのです。

うまく伝わっているかわかりませんが「積み木に対するリスペクト」があると、自ずと保育者も積み木を大切に扱いますし、それを見た子どもたちもまた大切に使うのだと思うんです。

童具で遊ぶ時は「積み木は生きてるんだよ」と伝えてあげること。
ほっぺに積み木を当てて、ひんやりする?暖かい?と聞くこと。
耳に当ててみて、呼吸が聞こえる?と聞いてみること。
積み木をポイっと収納したりしないで、そっとおく所作。
こういう一つ一つが、「積み木遊びを乱暴にしない」ヒントなのではないかな、と思います。

積み木は危なくない

こういった光景をみて、やはり導入の大切さや、保育者の積み木への愛情・尊敬を持つことで、「積み木は危ないおもちゃ」でなくなるのではないでしょうか?
その証拠に、前述の通り、積み木の教室やワークショップにきてくれる子の中には、積み木を投げたり乱暴に扱う子は本当に少ないのです。
親が持つ「積み木の価値」が子どもたちに伝わっているからだと感じます。

積み木遊びの始めのいっぽ

積み木遊びのテクニックがなくて…と悲観する保護者さんが多いですが、それよりも大切なことは、「積み木は友達」「積み木は大切に」という言葉をきちんと伝えることがはじめのいっぽだと感じます。

その大前提があるだけで「危ないおもちゃ」ではなくなります。
保育園・幼稚園の中でも、このマインドを持つことから、積み木保育がスタートしたらいいな、と切に願います。

積み木は友達。
子どもたちにたくさんの喜びと驚きをもたらしてくれますよ。

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