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言葉の花束ーアキの詩集No.67


1.「月の美しさをあなたと分かち合いたい」

今夜の月は
とても明るく

淡い光が
闇夜に溶け込んでいる

この月を見て
ふと


親しくしていたあの人は
どうしているか

私と同じ月を見て
同じように
美しいと感じていたら
素敵だなと
思ったのです

今は疎遠になってしまったけれど

月を通して
心を通い合わせることが出来るのであれば

こんなに
嬉しいことはないのです

今夜の月は
きれいだと

あの人も
思っているかしら?

この月の美しさに気付き
心を和ませる時間と余裕を
ちゃんと持てているかしら?

あの人は真面目な人だから
忙しない日常にもまれて
感じる暇がなくなっていないと
良いのだけれど

月がきれいですよと

あの人に
私の言葉が届けられたら良いのに

こんなに美しいものを
独り占めなんて
したくない

どうせ見るなら
あなたと見たい

傍にいられなくても

どこにいてもいいから

この月の美しさを
あなたと
分かち合いたいの



2.「夏の風」

夏の風が

深緑の木々の葉や
草花を
さわさわと揺らしながら
吹き抜けていく

夏の風に乗って

青空の大海を
白雲の舟が
ゆったりと流れていく

そんな様子を
見ていると

肌では
蒸し暑いと
分かってはいても

なぜか
心の中に
涼の風が吹いてくる

暑いはずなのに
心が涼しい

とても
不思議な出来事



3.「予想外の楽しみ方」

アマゾンとか
通販で物を買うと

当たり外れって
あると思う

写真と
説明書き
そして
レビューだけで

その品物の
善し悪しを判断するのは
限界がある

実物をイメージして
良いと思ったものを

「思った通りの物でありますように」と
賭けるように
注文ボタンをタップする

そして
実際に届いてみれば

望んだ通りの品物であることは
まれで

だいたいは
どこかしら
予想を外していることが多く

全く
仕えずに捨てる羽目になるときの
悲しい気持ちと言ったらない

でも
仕方ないと諦めつつも
使える物もあり

色々工夫をすれば
ある程度快適に使えたり

思いのほか
面白く楽しく
使えたりするものもある

古典なんかも好きな私は
最近
漢詩の本を注文したりして

本当は
漢詩そのものが載っている本が
欲しかったのだけれど

届いたのは
漢詩の用語辞典と
名句の本

「しまった」と
後悔したのもつかの間

眺めてみると
知識の薄い状態で
漢詩を何となく捉えるより

コツコツと
語句を調べ
名句をかいつまんで
深読みした方が
面白いと感じる

思った通りに
事が運ばなくても
それは失敗じゃない

新たな
気づきや発見があったり
新たな
楽しみ方があったり

予想外の展開が
人生を面白くしてくれる



4.「化粧を施すあの人の気高さよ」

髪をすき
化粧を施す
あの人の気高さよ

身だしなみを
整えるのは
人としてのたしなみ

特に女性は
化粧によって
本来持っているその人の魅力が
うんと増す

私は
化粧を施す
あの人の姿を眺めるのが
好きだった

何もしていなくても美しい
あの人が

化粧を施すときの
気品と言ったらない

どの女性も
化粧をすれば美しくなるのだろうが

その人以上に
気品に満ちあふれた女性を
私は見たことがない

化粧により
外見が映えるばかりでなく

その人が
元々気質として持っている
人としての柔らかさや
包み込む優しさが

いっそう
にじみ出てくるのだ

その人は
裏表がなく

どこまでも純粋で
心までも美しかった

ただ
純粋で美しい花は

周囲の欲という
毒気を吸って
枯れてしまう運命だった

日に日に弱っていく
枯れていく花は

それでも
気高さを
損なわなかった

最後まで
慈しみ溢れ

そして
気高く
果てていった

私は
その人を守る
盾となり
矛となりたかった

守られる女ではなく
その人を守る
騎士でありたかったけれど

その人にまとわりつく
欲と言う名の毒気に対し

盾や矛は
通用せず

人の負の想いに対し
なすすべもなく

ただ
その人に寄り添うことしか
出来なかった

私は
何が出来ただろうか?

あの人のため
何をしてきただろうか?

そんな言葉ばかりが
頭によぎって仕方ない

私の思い出の中のあの人は
とても美しい人だった

守り切れなかった
その美しい人は

生まれ変わっても
また
美しいのだろうな

以前のように
毒気にさらされて枯れないように

その花の美しさを保てるようにと
今世での幸せを願うばかり



5.「暗雲の先の青空」

先行きが見えず

ただひたすら
頑張り続けることに

疲れと焦りを
感じているとしても

大丈夫だよ

あなたを取り巻く
暗い雲を
通り抜けていけば

道は拓ける

そこには
きれいな青空が
広がっている

あなたは必ず
やり遂げる

夢を
実現することが出来る

着実に
目標に向かって
進んでいる

進み続ければ
いずれ
暗雲を抜けることが出来る

そして
その先には
必ずきれいな青空が
広がっているから

自分を信じて
ただひたすら
歩んでいって



6.「楽しい独り言」

一緒にお話していて
一番
楽しい相手は

昔から変わらず
私だ

私のことは
私が一番理解しているし

私と一番
気の合う相手は
私だから

何となく寂しいときや
誰かと話したいときは

こっそり
誰もいないところで

私は私と
会話する

自分との対話は
本当に楽しい

だからこそ

誰にも
聞かれたくないし

私だけの世界に
誰にも入られたくない

私と私が
対話している最中に

誰かがやって来たときの
興醒めといったらない

世間では
独り言と言うそうだけど

自分との対話の
何がいけないのか?

自分が自分の
最高の理解者であることは
むしろ誇って良いはず

私の
楽しい独り言

それは
私だけの秘密のお話

私以外
触れてはならない
聖域



7.「自分を無条件で受け入れること」

自己肯定や
自信を持つことに

根拠は
いらない

自分を受け入れ
自分を信じるのに
なぜ理由がいるの?

条件を満たさなきゃ
出来ないことなの?

そんなハードル
いらないよ

慎重になりすぎて
自分を否定するようなことは
しないで

自分なら出来る

その事実を作るために
ただひたすら
自分と状況を分析して
必要な努力を
コツコツやっていけばいい

意識が
「自分なら出来る」の方向に
向いていて

そのために
行動していれば

自然とその方向に
事は出来上がっていく

現実は
自分が作っていくもの

出来ることを
自分を否定することで
出来なくするのは
もったいない

やりたいことへの
挑戦を

一番応援するのは
自分であってほしい



8.「涼みに来た珍客」

墓参りの帰りに
暑さをしのぐため
コンビニに立ち寄ると

入れ違いに
シオカラトンボが
店内に入ってきた

トンボもやっぱり
暑かったのかしら?

トンボにとっても
やっぱり
猛暑はきついよね

どうぞどうぞ
休んでいってね

ちょうどいい
避暑地を見つけたね

思う存分
涼んでいってね

なんて
私は店員じゃないんだけどね

虫にも心があって
暑ければ
涼しいところで休みたいと思う

その気持ちは
人間だけのものではない

この世界は
人だけのものでもない

あらゆる生き物が
共に生きているんだ

だからこそ
環境を壊して
生きる場所を奪うだけでなく

せめて
暑さをしのぎ
涼む場所を共有することぐらい
していきたいと思う



9.「夏と秋の移り変わり」

今日もとことん
暑かった

そのはずなのに

夜になって
ふと
耳を澄ませれば
鈴虫の鳴き声が

軽やかな
心地よい音色が
聞こえてくる

そうか
もう
夏も終わりか

いつまでも
続きそうな猛暑に
気が滅入る日々を過ごしていた

けれども
鈴虫が
秋の兆しを
告げてくれて

暑さにうだる日々は
後もう少しで終わり

涼やかな日々が
始まるのかと思うと
胸が躍るようだ

その一方で
昼間に
シオカラトンボを見たが

もう
来年まで見られないかも知れないと思うと
夏が惜しくなる

今は
夏と秋が
入り交じる頃合い

この
季節の移り変わる時期が
私は好きでたまらない



10.「送り盆」

ご先祖様を送りに
家族で墓参り

線香を上げ
手を合わせると

ふわっと
体から何かが抜けて

それが
墓石に吸い寄せられたかと思うと

天に
昇っていく感じがした

あぁ

ご先祖様が
帰っていった

無事に送ることが出来て
良かった

私達は大丈夫だから
安心して
帰ってねと

心の中で
そう伝えて
送った

ようく
あたりに注意を向ければ

我が家と同じように
至る所で
送られた方々が
天に昇っていく感じがするのだ

中には
お盆もお墓参りも
所詮は
生きている人達の自己満足と
言っている人もいるけれど

たとえ
自己満足でも

思い出すことで
思い出されることで
喜ぶ方々がいる

それは
生きている人も
亡くなっている人も同じだ

亡くなっている方であっても
相手を想うことを忘れない

それを習慣化している
この風習が
本当に素晴らしいと感じた



11.最後に

4.の詩について

かなりスピリチュアルな話ですが
化粧を施す女性がイメージにあって
その人に仕え、とても敬愛していた前世があると思うのです。
平安時代の貴族の女性で、過去世の私は宮中に出仕していたと思います。
その頃の思い出と想いを綴りました。

夢物語と思って、楽しんで読んで頂けると幸いです。

最後まで
お読み下さりありがとうございます。





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