「け！」と友人が言った。一言と呼ぶべきか微妙なその一言に、私は驚く。大学の空きコマに５人ほどで談笑しながら昼食を取っていた時のことだった。また何事もなく食べ始めた彼女に「け！って、何？」と恐る恐る聞くと、「食べな！ってことだよ！そろそろ次の授業の時間迫ってきてるじゃん？」と笑いながら言った。 私の通っていた大学は、東北地方の色々なところから学生が集まっており、彼女も例に漏れず、とある片田舎からこの大学へ進学していた。「それって方言？」と別の友人が言い、「そうかもね。」と
初めてその言葉を聞いたのは、中学１年生の数学の時間であった気がする。当時驚くほど眠気の強い少女であった私は、その日もところどころ意識を飛ばしながらその授業を聞いていた。「であるから、ねじれの位置が、」と先生が口に出した言葉がふと耳の突起に引っ掛かり、私は意識を取り戻した。数学の時間にはそぐわない、何だか異質で文学的な言葉が聞こえたように感じたのだ。ねじれの位置とは、並行でなく、どこまで伸ばしても決して交わらない2つの直線の位置関係のことであるらしい。どこまで伸ばしても、決し
幼い頃から私はとにかく考える人であった。誰かと話せばその言葉の裏や真意を考え、アニメや漫画を見ては自分がもしその世界に入ったらどうするかを考え、LINEでも対面でも、何か言葉を発する前には脳内で推敲し、夜眠っている時でさえも最近の出来事について自分なりに考えている夢を見る有様であった。そんな性格のため、困ることも多い。 考えているとき、私はとにかく感情を逐一言語化する。何だっけ、とか、あちゃー、みたいなどうでも良い言葉まで実況中継するので、私の頭はよく混沌としている。だが
初めまして、七瀬はると申します。趣味でエッセイのようなものを書いていたところ少しずつ溜まってきたので、これを機にこの場で載せていこうと思います。 現在は学生の身ですので、更新頻度がどのくらいになるかはまだ読めませんが、昔のことや、普段考えていること等を織り交ぜながら、自分らしい筆致で書いていきたいと思っております。 趣味は音楽（楽器を演奏することも、音楽を聴くことも好きです）、絵を描くこと、読書、こうして文章を書くこと、服を見ること、あとはひたすらに寝ることが好きです
