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物が捨てられない女を卒業した話②

これは、物を捨てられない女が物を捨てられるようになる物語だ。
ぜひ、「物が捨てられない女を卒業した話①」から読んでいただきたい。

私は、物を捨てられない生活を何年も続けていた。
なんなら実家にいる時から物を捨てるという習慣がなかったため(お察しの通り家族全員がそれ)、25年ぐらいは物に埋もれて暮らしていたことになる。

一人暮らしにも関わらず3LDKの部屋に住み(物が入りきらないため)、引っ越しの時は一人暮らし用の小さなトラックではとても間に合わないことを伝えておく必要があった。

勿論、このままではダメだと思い続けていた。
引っ越しの度に物を捨てる努力はしたし、3LDKから突然1LDKに引っ越しをし、強制的に物を減らしたこともあった。

引っ越しをする度に上手くいったかのように見えた捨て活だったが、いつの間にか物の増える速度が捨てる速度を上回り、あっという間に悪化した。
その時は、1LDKから2LDKに引っ越しをする羽目になった。

大量に物を捨て、大量に物を買ってしまう。(所謂リバウンド)
3年ほど経過した時、捨てることが解決策ではないように思えた。

そんなある日、私に転機が訪れる。

奇跡的に彼氏ができたのだ。(今の夫)
その頃既に30歳を過ぎていた私は焦っていた。
焦っていたなんてもんじゃない。
狂っていた。(謎)
これを逃したらもう結婚のチャンスはない。
正に崖っぷちだった。

彼氏が初めて家に来ることになり、私は証拠を隠滅するかのように物を捨てに捨てまくった。

もつれにもつれてどうしようも無くなった拳一個分ほどのネックレスの束。(もはや武器)
履く度にとんでもない靴擦れを起こすボロッボロのパンプスたち。
100均で大量購入した安っぽい食器たちや景品で貰ったプラスチックのマグカップ。
見られたくない物を部屋から取り除いていった。

そんな明らかに処分期限を過ぎた物たちをまとめている最中、自分は本当に変わりたいんだなと心から思った。

自分のことなのに変な話だが、今までは自分が物を捨てたい理由がよく分からなかった。
でも、とにかく物を減らしたかった。
理由が明確でないから、リバウンドを繰り返していたのかもしれない。

でも、続けることでハッキリしたことは、まともで綺麗な家に住み、普通の幸せを掴みたかったんだと思う。

私は彼氏を迎える為に、新しい服を買い、新しい食器を買った。
また物を買ってしまったわけだが、この方法が意外にも自分にバッチリハマった。

新たに購入した服は、某ブランドの自分にとってはちょっとお高いワンピースだった。(高いと言っても1万そこら)
普段GUでセール品ばかり買い漁っていた私だったが、ちょっとでも自分を良く見せようと大奮発した。

そのワンピースを持って家へ帰宅しクローゼットを開けた瞬間、私はこう思った。

「ボロばっかりじゃねぇか!!!」

人が変わったように服の処分範囲が広がっていることに気付く。

今はこんなに良いワンピースを持っているんだから、これもこれもいらない!そんな風に思えた。

ワンピースに合わない痛んだ靴にもなんの未練も感じなかったし、頑なに捨てることができなかったショルダー紐が取れかけたバッグや穴の空いた靴下などもいとも簡単に処分の対象になった。

購入した記憶がないギャル服が出てきた時は、流石に驚いた。

処分しながら感じたことは、いかに何も考えず、計画性を持たずに買い物をしていたかということだ。

押入れの奥底でカビが生えた状態で発見された衣類をゴミ袋へぶち込み終える頃には、収納の半分から物が消えていた。

それからというもの、少しづつ本当に気に入った服や物を集め、物の最適化を図っていった。
紙の本が好きだったが、電子書籍への移行にも成功し、今ではタブレットが相棒になっている。
無事、今の夫と結婚することにも成功したし、可愛い猫を迎えることもできた。

私は、物を捨てることで今の暮らしを手に入れることができた。
物を捨てられる体質になったことは、私の人生を大きく変えた。

nekogaki




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