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私の詩集1

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〔詩〕蒼い夜

〔詩〕蒼い夜

一人で見上げる星空
夜はどこまでも蒼い

忘れたいこと
忘れたくないこと
遠く離れても消えはしない
空を飾る星屑のように
無数にきらめく硝子の破片

色のない風は
化学反応のように私を蒼く染める
私は途方に暮れて
失くしたオルゴールの調べだけを
いつまでも口遊んでいる

こんばんは。こちらに参加させていただきます。

暗めの色になりましたが、三羽さま、よろしくお願いいたします。
読んでくださった方

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〔詩〕蛍

〔詩〕蛍

明日はどんな良いことがあるだろう
そう思って眠りについたのは
遠い昔のこと

時は容赦なく流れ
輝いて見えた未来はどこにも無く
散らかった夢を拾っては折り畳む
息をするように
当たり前の顔をして

誰かのせいなんかじゃない
時代なんかのせいでもない
足りなかった物は
全部自分のせいだって知ってる

それでも

ポケットには折り畳まれた夢が眠る
輝しくなくても
蛍のように微かに光る今がある
やっと分

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〔詩〕朧

〔詩〕朧

春の夢は朧
どこまでが現実
どこから幻
浅い眠りは不規則なリズムで
ゆらりゆらりと行ったり来たり

言って欲しかった言葉に
思いがけずときめき
言われたくなかった言葉に
一瞬息が止まる
記憶のような
幻想のような
ただの夢に翻弄されて

目覚めれば真夜中
カーテンの隙間から朧月が誘う

甘い罠なら埋もれるように
もう一度目を閉じてしまえばいい
私の輪郭が柔らかく崩れ
朧の闇に消えてしまうまで

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〔詩〕IBITSU

〔詩〕IBITSU

生きづらさって何
何の抵抗もなく
ただ軽やかに生きている人なんて
本当にいるの

あたし達は歪で
この世界も歪で
どうしたって収まらない
どうしたって落ち着かない
でも八つ当たりはしないよ
あたしにもプライドがある

歪なあたし達は
出っ張りで頭も打つし
派手に転ぶこともあるけど
それは生きづらさなんかじゃない
たとえ不可抗力だったとしても

あたし達は歪で
この世界も歪で
だから面白い
だからワ

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〔詩〕推定無罪

〔詩〕推定無罪

ずっと同じ曲を聴いている
この突き放すような淋しさが好き
明日は土曜日
目覚ましはいらない

ひび割れた夢を笹舟に乗せて
昏い夜に浮かべてみる
何も悲しくはない
遠く離れて行ったとしても

ここにいる
私はずっと

束縛は悪
裏切りは罪
惑うだけなら推定無罪
差し伸べられた手を
拒むことなく
ただすり抜けたら

闇の淵に立ち
感情のない目で振り返る
このままひとりも良い
ふたりなら夜の底まで

〔詩〕晩春

〔詩〕晩春

花吹雪も終わり
僅かに色褪せた花だけが残る桜木に
ふわり指先で触れてみる
提灯も外された木の周りに
集う人々はもういない

あのざわめきを
あなたは覚えているだろうか

もしも甘い実をつけたなら
更に人々は集うだろう
けれど私たちは知っている
あなたにその日は来ないことを

薄緑の若葉が光る
これ以上何を望むというの

時は正しく流れ
私たちは等しく老いていく
花の盛りも
名残の花吹雪も
季節を追

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〔詩〕祈りの雨

〔詩〕祈りの雨

手の甲で溢れる涙を拭う
感情に負けるのが嫌で唇を噛む
そんな子どもっぽい私を
ただ黙って見ているあなた
傷を負ったのは私の方
どこかが痛むような顔はやめて

世界一幸せだと思ってた
いつまでも続くと思い込んでいた
幻日のような夢物語は
愚かで滑稽で
哀れで救いがなくて

遠くで雷が聞こえる
きっともうすぐ
大粒の雨が降り始めるはず
傘を持たないあなたは濡れればいい
私のこの傘を
もう貸してあげるこ

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〔詩〕炭酸刺繍

〔詩〕炭酸刺繍

ソーダ色の青空に
はぐれ雲ふたつ
風に押され形を変えても
ひとつになることは無いままで

勝手に期待して
当たり前に裏切られた気分
始まる前の夢が
さっき弾けて消えたように

なんだ
彼女、いたんだ

苦手な刺繍を頑張ったのに
想いを形にしたかったのに
やっぱり歪んで
渡せないままくしゃくしゃになって

渡せなくて良かったな
なんて

薄れて消えていく
はぐれ雲ふたつ
このまま消えてしまいたい

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〔詩〕国道55号

〔詩〕国道55号

後悔するには早すぎる
私はまだ戦いの最中
逆風も逆境も
決して望んでいなかったけれど
乗り越えれば経験値ボーナスで
強くなる未来が見えている

明日は明日の風が吹くなんて
無責任にも聞こえるけれど
今日吹く風は今日で終わる
明日の風はまた違う色

大丈夫
まだもう少し大丈夫

楽勝の人生なんて
私にはきっと似合わない
転んで
擦りむいて
泣きそうになりながら
目の前の四つ葉に歓声を上げて

そんな

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〔詩〕Infinity

〔詩〕Infinity

きっと私たちは自由だ
あの鳥のように空を飛べなくても

右か左かじゃない
前に後ろ
上や下にも
進む道はある
見えないだけで
見ようとしないだけで
だから

私たちはきっと自由だ
叶えたい想いがあるなら
誰に笑われても
みっともなく足搔いていい
サラッと諦めておいて
選択肢がなかったなんて言いたくない

自分の選択に覚悟を持ち
失敗も不運も誰のせいでも無いと
胸を張って言えるなら

私たちは
どこ

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〔詩〕チャンス

〔詩〕チャンス

何も終わってなどいない
手痛い裏切りの1つや2つ
平凡すぎる私の勲章になる

信じる者は救われるはず
信じる相手を間違えなければ
勘は悪くない私
後は経験を糧にするだけ

泣いたのは前を向くため
いつまでも泣き続けて
無様に崩れ落ちたりはしない

私はまだ始まったばかり
悲劇のヒロインなんて冗談じゃない
これは神様がくれたチャンス
もっと強く
もっとしなやかに
明日も私は笑ってみせる

こんばんは

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〔詩〕ブラックコーヒー

〔詩〕ブラックコーヒー

覚悟のない優しさならいらない
荷物を持つとか
ドアを開けるとか
そういうのが欲しいんじゃない

守ってくれなんて言ってない
ただ
一緒に闘う覚悟はあるのかって話

波風をたてないのがあなたの生き方
海の底にどんなに欲しい物があっても
穏やかな海面で待つだけで
いつか浮かんでくればラッキーなんて
平和で
ぬるくて
卑怯だよ

私は愚かだって?
もっと賢くなれ、と

それは無理
私はあなたにはなれない

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〔詩〕Blue

〔詩〕Blue

消えない想いを
消えないペンでしたためる
私がいつかいなくなっても
何もなかったことにしたくなくて

笑いながら傷付いていた
心ない言葉はジョークにはならない
それでも笑えたことは私の誇り
自分を守る武器を手に入れたから

分かっている
消えない文字もいつかは薄れて
書かれた紙は朽ちていくこと
永遠なんてないのだろう
この街にも
この国にも
この星にも

それでも私はしたためる
どんなに傷付いても

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〔詩〕一陣の風のように

〔詩〕一陣の風のように

サヨナラなんて言わない
そんなの私たちらしくない

今までありがとうなんて
言いたくないし
言われたくもない

何となく出会って
何となく気が合って
何となく一緒にいた

だから最後も
何となく消えよう

覚えていてくれなくていい
忘れてとも言わない
一陣の風が吹いたように
お互いの心がフワッと揺れたなら

そんな瞬間があったなら

それだけでいい

それだけがいい

こんばんは。
こちらに参加さ

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