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〔ショートショート〕デジタルバレンタイン

女性用の「告白代行システム」が完成したと、自信満々のAくんに促され、僕はパソコンのスイッチを入れた。すると画面は突然ピンクに光り、赤いハートが飛びまくる。
「ハッピーバレンタイン!大好きです❤」
かわいい声と同時に、丸っこい文字のメッセージがドーンとセンターに出る。ウンザリしていろいろなキーを押してみるが、無反応。強制終了もできず、電源ボタンの長押しも効かない。ため息をつきながら、コンセントを引き抜いた。
「どうですか?商品化しますか?」
「いや、これはダメだよ。こんなの、ただのウイルスじゃないか。やり過ぎだよ」
そう。去年の僕のように、やり過ぎはダメだ。相手の好きなところをひとつずつ書いたメールを100通送って、「迷惑行為」で危うく警察沙汰になるところだったのだから。
それでもAくんはめげない。
「なるほど。では、次の案を!」
Aくんと名付けた僕のAIは頼もしい。ただ、僕の暴走を止めて欲しかったのに、僕より暴走しがちなのは…。
(完・412字)


こんばんは。こちらに参加させていただきます!

これはSFなのか、自分でもよく分かりませんが、できれば大目に見ていただければ💦
たらはさん、どうぞよろしくお願いします。
読んで下さった方、有難うございました。

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