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〔詩〕偽善

優しくない世界を
優しい言葉で縁取ってみる
極彩色の絵の具に
少しだけ白を混ぜるように

そんなことをしても
世界は何も変わらない
それでも縁取るのを止めないのは
私自身が耐えられないから

考え方とか
解釈の仕方とか
そんなものではどうにもならない
ギリギリの現実があって
闘う術もなく
目を逸らすことも許されず
晒される様々な悲劇を
震えながら見続けるだけ

彼らの悲劇を
知らないことは悪だと言う
知らない振りは卑怯だとも言う
私は知っている
けれど
知っているだけで何ができると言うのか

優しくない世界を
優しくない私が生きていく
優しい言葉を張り巡らせ
醜い自分を隠しながら
異教徒の祝福に身を委ね
束の間の平和に溺れている


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