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CD難民とネット社会の浦島太郎になった話

今でこそ
「あの曲、久しぶりに聴きたいな」
「あのドラマまた見たいな」
と思った時に

スマホさえあれば、
いつでも、どこにいても
それを叶えることができる。

だけど一時期、
エンタメを楽しむ機会が
ほぼ皆無になった時期がある。

それもその期間は10年以上あった。

音楽に至っては
2000年代初頭までは
なんだかんだ聴く機会があった。

その頃はまだCDを購入したりレンタルしたり、
もしくは携帯の着メロサイトから
ダウンロードしたりして、
流行りの歌などに飛びついていた。

そもそもアナログ人間だったこともあり
それ以降の機器の進化についてゆけず、
さらには流行りの歌もピンとこなくなり、
エンタメ離れを加速させた。

その間にスマホが普及し、
定額払えば見聞きし放題の
サブスクという配信サービスも始まっていた。

スマホは早い段階から持っていたが、
そういった時代の流れもよそに
エンタメ無関心の私は
何1つ困ることなく
知ろうともせず暮らしていた。

だがそんなアナログ人間が、
再びエンタメと向き合う機会が巡ってきた。

それは2020年の春。
たまたま流し見した
とあるテレビドラマにどハマりしたのである。

そう。
コロナが猛威をふるい始めた頃だった。

日に日に新型ウイルスの速報が飛び交う中、
私はドラマに夢中になり
出演者のファンになり、
突如、推し活を始めた。

その流れで主題歌も好きになり、
久しぶりに音楽を聴きながら
ドラマの世界観に浸りたくなった。

そこでアナログ人間が最初に起こした行動は、
「そうだ、CDを買おう!」であった。

だがここでようやく気づく。

知らぬ間に
CDを扱う近所の販売店(もしくはレンタル店)が
軒並みなくなっていることを。

当時、東京の片隅に住んでいたのだが、
あの東京ですら
いくつもの路線が乗り入れる大きな駅の周辺に
1箇所〜3箇所程度残っているくらいで、
郊外の店はほぼ消滅していたのだ。

そして緊急事態宣言。
百貨店や多くの店が休業になった。

焦った私はそのことを夫に話した。
夫は私と違いデジタルやネットに強い。
最初から相談すればよかったのだが、
まずは自分の力でなんとかしたかった。

夫からすれば
まさか妻がデジタル難民になっているとは
思いもしなかったのだろう。

「そりゃそうだよ。今はネットで簡単に購入できちゃうからね。わざわざショップに行って買ったり、レンタルする人なんてほとんどいないよ」

なるほど…と思った。
昔はCDもDVDも
レンタルしたりしていたが、
返却が面倒だった。

それをせずとも定額を払い、
好きな時に好きなだけ音楽やドラマを楽しめるなら、
圧倒的にサブスクの方がいい。

もちろん時代関係なく、
レコードやCDを好む人を否定はしないし、
アーティストの皆さんや
頑張り続けるCDショップやレコード販売店は応援している。それもこの時はどうしても欲しくて結局CDを買った。

とにもかくにも私は、
ドラマにハマったことで
時代の変化をようやく受け入れることができた。

そのことをきっかけに
様々なアプリやサイトを活用するようになり、
今では小説を書いている。

これだからおばさんは…とか
これだから情弱は…と
バカにする人もおられるだろうが、
何が言いたいかというと
私のようなポンコツでも、
きっかけさえあれば
未知の世界に入っていけるということだ。

よく聞く言葉だが、
何かを始めるのに遅いなんてことはない。

1つ興味をもったことから
人間はあらゆる情報を得て学び、
変わっていくことができる。

誰に笑われようと
バカにされようと
心の赴くままに
自分のタイミングで始めればいい。

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