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ご当地小説を投稿しています。全てフィクションです。他にも自分の作品の舞台や各地の風景を撮影しYouTubeでアップしています。併せてご覧いただければ幸いです。(YouTubeは右下の再生マークからどうぞ) なお、カクヨムにも同名で小説を投稿しております。

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  • 【小説】連綿と続け

    富山県を舞台にした小説

  • コラム

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連綿と続け・あらすじと登場人物

題名: 連綿と続け (あらすじ) 東京都八王子市で生まれ育った一ノ瀬侑芽は 大学を卒業し、富山県の南砺市役所に就職が決まった。 南砺市では人口と観光客が年々減少し、その回復が急務となっていた。 その為には地域の人々の協力が必要となり、その間に入る担当者として新人の侑芽が選ばれる。様々なことに苦戦する侑芽であったが、足を運ぶうちに地域の人々の暮らしぶりやそれぞれの思いを知り、観光だけに頼らず地域の為に何か出来ないか、という思いが芽生えてくる。始めは厳しい態度であった彫刻職人の

    • 【小説】連綿と続け No.48

      航は侑芽からの連絡に 事態を知る。 メッセージのやり取りで、 航はすぐに誰の仕業か検討がついた。 航)アイツや…… その瞬間、 青筋を立てるほど怒り心頭になり、 拳を床に叩きつけた。 正也)おい、何やっとんが。怪我するぞ 航)これ終わったら、ちょっこし出てくる 正也)なんや急に……まぁ、きりもええし、たまにはリフレッシュも必要やちゃ!今日はもう上がれま 航は昼食も食べず自宅に戻り、 香菜に電話をする。 航から連絡が入った香奈は 香菜)航〜?どうしたが? 航)

      • 【小説】連綿と続け No.47

        会議室に通された侑芽は 黒岩と共に席に着き、 険しい表情をした副市長から問われる。 副市長)君が観光推進課の一ノ瀬さん? 副市長は50代半ばの中年男性である。 普段はまず会う事もない副市長に 萎縮してしまう侑芽。 侑芽)はい。一ノ瀬侑芽と申します。 副市長)ここに呼ばれた理由はわかっとる? 侑芽)いえ…… すると副市長の秘書が パソコンを傾けて侑芽に見せてくる。 画面を覗くと市民を名乗る人物から 匿名のメールが届いていた。その内容は 『役所の人間が観光協会の職員

        • 【小説】連綿と続け No.46

          いつも通りの侑芽に、 騒ついていた心が穏やかになる航は、 彼女を迎え入れて、 すぐにギュッと抱きしめた。 侑芽はその胸に埋もれながら抱きしめ返す。 そして体を離した後、 持ってきた保冷バッグを持ち上げ 侑芽)今日、早く終わったので夕飯作ってきました! 航)おぉ。いつもありがと 侑芽はキッチンに立ち、 慣れた手つきで料理を皿に盛りつける。 最近はこうして 航に手料理を振る舞う機会が増えた。 航は普段、 仕事終わりに実家で夕飯を済ませてから帰るが、 侑芽が泊まりに来る

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        連綿と続け・あらすじと登場人物

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        • 【小説】連綿と続け
          49本
        • コラム
          12本

        記事

          【小説】連綿と続け No.45

          その頃、 航は五箇山の秋祭りで使われる 獅子頭の修復作業を行っていた。 集中し、正也と確認をしながら細かい部分を補修し、 目の前の仕事と向き合っている。 あらためて紹介するが、 皆藤家がある八日町通りは、 瑞泉寺の表参道である。 この瑞泉寺の裏山は八乙女山という。 山の向こう側には庄川が流れ、 その上流を辿っていくと五箇山と呼ばれる山深い地域がある。 三角屋根の合掌造りで知られ、 山を隔てて隣接する岐阜県の白川郷とともに 世界文化遺産に登録された事で有名になった。

          【小説】連綿と続け No.45

          【小説】連綿と続け No.44

          マルシェの会場となる井波文化会館に着くと、 西川が待っていた。 侑芽)お待たせしました! 西川)俺も着いたばっかりや。先に中を見ようけ 侑芽)はい! イベント当日は、 晴天なら屋外に店が立ち並び、 フリーマーケットの様な開放的なスペースで マルシェが開催される。 雨天の場合はホールの中で 開催する事になっている。 今日は雨天になった場合を想定し、 ホール内での配置を念密に打ち合わせする。 侑芽)どう転んでもいいように準備しなきゃですね 西川)うん。そのつもりで

          【小説】連綿と続け No.44

          【小説】連綿と続け No.43

          侑芽の甘い囁きに 吸い込まれるようにして覆い被さった航は、 「誰にも取られたくない」という気持ちを ぶつけるように、荒々しくその求めに応じた。 土砂降りの雨音が 全ての音をかき消してしまうから、 誰に気を使う必要もない。 ここは2人だけの世界。 囁き合い、何度も互いの名を呼ぶ。 航)侑芽、こっち向いて? 侑芽)航さん、もっと…… 求愛の果てに 横になってウトウトしている侑芽の鼻に 自分の鼻を擦り寄せる航。 航)侑芽は小悪魔や 侑芽)小悪魔?どこがですか 航)俺

          【小説】連綿と続け No.43

          【小説】連綿と続け No.42

          航と西川が口論になり、 互いが拳をふり挙げようとしたその時、 大声で止めに入ったのは春子であった。 「そこで何やってんの!!」 侑芽)春ちゃん!? 春子)ちょっとな〜に〜?侑芽どうした〜? 春子は侑芽に駆け寄って行き、 まるで幼な子をあやす様に侑芽の頭を撫でから 航と西川を睨みつけた。 春子)ちょっとあんた達!さっきからうるさいんだよ!侑芽に何してくれたわけ?それにこっちは、せっかくのデートが台無しなんですけど! 春子は腕を組みながら大声で怒鳴った。 春子と武史も

          【小説】連綿と続け No.42

          【小説】連綿と続け No.41

          『高瀬遺跡で蛍の写真を撮ってから向かいます』 今日は航の家に泊まる約束をしている。 侑芽は航にLINEを送り、 高瀬遺跡に引き返した。 到着すると夜にも関わらず 蛍鑑賞をしに来ている人々がちらほらいる。 そんな光景を眺めていると、 先に着いていた西川が手を振っている。 侑芽)西川さん!お疲れのところすいません 西川)なん。疲れとらんよ。それにしても結構見に来とる人おるね! 侑芽)有名なんですね〜。全然知らなかったです 西川)混む前に行こう 侑芽)はい! 暗く

          【小説】連綿と続け No.41

          産休クッキーの件を眺めて感じるのは多くの人が理解のあるいい人に思われたい、もしくは大人になってもピュアな人間アピールする偽善者が圧倒的に多い世の中だなということ。実際の職場であれやったらほとんどの人間は顔で笑って心で呪うだろう。それがリアル。そういう闇の部分を書くのが小説家の仕事

          産休クッキーの件を眺めて感じるのは多くの人が理解のあるいい人に思われたい、もしくは大人になってもピュアな人間アピールする偽善者が圧倒的に多い世の中だなということ。実際の職場であれやったらほとんどの人間は顔で笑って心で呪うだろう。それがリアル。そういう闇の部分を書くのが小説家の仕事

          雪国の春

          4月半ばというのに 夏日になる予報が出た。 確かに今日は 朝からストーブなしで 過ごせる気温だ。 窓を開け網戸にすると、 どこからともなく 祭囃子が聞こえてくる。 太鼓と笛の音。 わっしょいの掛け声。 その賑やかな音が近づき ぼんやり外を眺めていると、 屋台囃子の一行が通り過ぎていく。 近所にある小さな八幡宮の 春の例祭だろう。 子供から大人までが参加し、 地域を練り歩くらしい。 長い冬が終わり、 田畑では農作業が始まった。 豊作を祈る春祭りは、 室内に篭って

          【小説】連綿と続け No.40

          純喫茶「あいの風」が 夜のスナック営業に切り替わる時間になり、 店主の礼子が店を開けようと外に出ると、 店の前に亡霊のように立っている人物がいる。 それは観光協会の西川であった。 礼子)え!?あんた……どうしたが!? いつも爽やかな彼が無表情で立っているから、 礼子は驚きつつ中に通した。 西川)なんや無性に酒が飲みたなって…… ビールを注文し、それを一気に空けてしまった。 礼子はそんな彼を心配そうに見ている。 そこへ常連の太郎がやって来る。 太郎)あれ?一平ちゃんや

          【小説】連綿と続け No.40

          【小説】連綿と続け No.39

          糸子から将来の事を聞かれ、固まる2人。 航・侑芽)……!? 糸子)あれ?まだやった?けど、いずれはそうなるやろ? 侑芽)えっと…… 侑芽は戸惑いながら航を見る。 航はあたふたしながら 航)そ、そがなこと、まだ話しとらんちゃ!何を言い出すのちゃ! 糸子)けどこの前、歌ちゃんが「航にようやくええ人ができたさかい、こんで蓬莱屋も安泰や」て言うとったよ? 航)はぁ!?なんでそんな勝手なこと…… 正信)そいがそいが!それ聞いたばっかりやさかい、ワシらもてっきり今日はその

          【小説】連綿と続け No.39

          【小説】連綿と続け No.38

          侑芽が頻繁に泊まりにくるようになり、 徐々に航の家に侑芽の物が増えていく。 洗面台には歯ブラシが2本並び、 茶碗やコップ、部屋着や化粧品など、 いつでも泊まれるようになっていた。 航はそれが嬉しくて、 侑芽が居ない時でも その存在を感じられるから寂しくなる事が減り、 以前よりもメンタルが安定していることに 自分でも気づいている。 侑芽も段々と居心地が良くなり、 当たり前のようにこの空間に溶けこんでいる。 “もう一緒に暮らしてもいいと思っている” 航からそう言われた侑

          【小説】連綿と続け No.38

          【小説】連綿と続け No.37

          かつて正也の元で修行していた 山崎洋平が皆藤家に顔を出していた。 航の先輩であり師匠とも言うべき彼と、 侑芽は初めて会った。 侑芽)こんにちは! 歌子)ちょうど今、侑芽ちゃんの話をしとったとこやちゃ〜 正也)もう仕事終わったがけ? 侑芽)はい!今日はもう終わりなんです、ってあれ?お客様いらしてたんですね!失礼しました!そしたら私はこれで…… 歌子)ええのよ!この人はね、昔うちで修行しとった山崎くん!航の先輩やちゃ 侑芽は話には聞いていた 山崎との初対面に驚きつつ

          【小説】連綿と続け No.37

          セルフ出版に向けて

          こんにちは カクヨムで公開しておりました 【潮騒に導かれて】ですが、 セルフ出版に向けて非公開にいたしました。 お読みいただいていた読者様には 大変申し訳ございませんが 出版にあたり、 そのようにさせていただきました。 何卒ご理解のほど 宜しくお願いいたします。 いつかこの作品を書籍化したいという 執筆当時からの夢を叶えるため、 準備に入りました。 その間もこちら(note)で連載中の 【連綿と続け】と カクヨムで連載中の【いつもの場所で】 の投稿は続けてまいります

          セルフ出版に向けて