ちゃんとあったまる小咄。

手元で作業をする時、
どうしようもなく怖くなる時がある。
私が目の前のことに没入していたら、
気がつかないうちに何かが忍び寄って
足元を掬い取っていくのではないかと。

足元にあるのは自分が作り出したものだけで、
内に飛び込んで焦る時、
本当に気を散らすのは後ろからの他者ではなく、
足元に散らかした自分の残でしかない。 

だもんで、ふかふかと足元を
耕すのである。ふかふか、ふかふか。

喜ばしいことに、
こういう気質も持ち合わせているのにも
関わらず
先日30年の節目を迎えた。

生き物としてそんな年月を過ごした。
しかも不休で。すごい。すごい。
心臓、見たことないけど私の心臓、
君はきっと手のひらサイズなのに
本当に偉大だな…!と撫でたくなる。
ので皮膚と服越しに撫でておく。愛しい愛しい。

不思議なことに
なんだか心があったかくなってきた。
精神的だけではなく、物理的にもあっためるのは
大切なことなんだなと発見している。
摩擦熱、摩擦熱。嬉しいことである。

嬉しいことついでに思うのは、
みんなは一体どうやって嬉しいことや
場所に辿り着いているのだろう、
と思う。

悩みってあったりする?
ねこはあったりするよ。実は。
え、ある?一緒だね。一緒か。

思うのは、現代、
ネットが身近にあると
嬉しそうで楽しそうな人達に
簡単に接する事ができる。

負も吐露する自分としては
聞きたくてたまらない。

あの、どういう感じで、
その感じになるんです?
気になる気になる。

すごく好きです、そのハッピーな感じ。
でも時々落ち込んだりもしてね、
その度に温かいものを得たりして、
元気出してるんです。
あと、自分の心を少し摩擦して、
熱を作って拡げてるんです。

おや、そうなんです?一緒なんです?
そっか。なんと。
じゃああとは環境が寒いかあったかいか、
守れてるか、整えれてるかだけなんですな。
そうかそうか。

確かに、ピアノも海の中だと音の鳴りが
地上よりも響かないですもんね。
そういうこと、ありますよね。
そっか、そっか。

案外、
みんな潜ってる時をみせてないだけで、
潜ったりして、じっとぼんやりしてたり、
お酒飲んだり、なんか食べたり、
好きな人と過ごしたり、
色んな行動してるのかもしれない。

そう思ったら、
直接文が見れてるわけじゃないのに
伝えたくなったりする。
一人きりの部屋からふと伝えたくなる。

おーい、内省中のお仲間さんや。
私もそうだよ〜、こんばんは〜!
いつかどこか地表ですれ違うかもね。
今何してる?ねこは、お湯飲んでるよ。
あったかいよ。

そんなことを伝えたくなったりする。

読んでくれてるあなたは何してるかな。
あったかいもの飲んでみると、
びっくりするくらいの温度差を
感じる時があるよ。
面白いよね。

実はこういう風に、
簡単に面白がれるのも
私のいいとこなんですや。

ふふ。
なんだかいつも通り。
とっても深くて、それでいてあったかい。

外でもあったかく過ごせる時期が楽しみだな。
今はふかふか、あったかいもののんで
あったかい繋がりに思いを馳せて
物作りしとくことにする。

今日も今日とて良き良き日。

了。

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