見出し画像

地平線の先




私事ですが、
結婚9年目、7年と8ヶ月の不妊治療の末
待望の第一子妊娠に至りました。


7年と8ヶ月、
辛かった事、痛かった事
人生で一番悲しかった事
泣きながらお米洗ったり、
泣きながら駅から家までの道を歩いたり、
ほんと一生分泣いた日もありました。
どの瞬間も夫が半分背負ってくれたおかげで、途中休みを挟みながらも歩みを止めずに来れました。



7年間と言っても、妊活4年目に6回目のAIHの結果がダメだった時、今にも心が折れそうな私に夫がタオルを投げる形で3年間治療をストップしています。

妊活のための何もかもを辞めて、とにかく夫とたくさん出かけたり美味しいものを食べたりしていました。
ライブにも参加して、グッズもしこたま買いました!
(AAG、UNITE#01、yattokosaなどなど、、)


そんな時、夫の弟夫婦に子どもが産まれました。
それまでは妊娠出産報告を聞く度、
「なんで私には赤ちゃんができないんだろう」という気持ちがまず浮かんできていたけれど、その時は純粋に
「不妊であるのが私で良かった」
「家族や友達でなく、私で良かった」

と思うことができました。

それまでおめでたいことに対して卑屈になってしまう自分が嫌いで嫌いで消えてしまいたいと思ったこともありましたが、
そんな風に誰かではなく私で良かったと思えた自分がすごく素敵でいい奴だな〜と、
自分のことが好きになりました。
そうなれたのは、きっと何もかもやめて、夫と二人その日その日を幸せに暮らしたおかげかなと思います。


SNSも子どものいる友人と繋がっているものはやめました。
そうです、姿を眩ましたのです。笑
SNS上だけではあるものの、たくさん心配をかけてしまいましたが、とにかく自分の心を一番に大切に過ごすことを心がけました。
そのおかげか、出口のない狭い暗いトンネルが、広い青空の下に広がる眩しい地平線に変わりました。


地平線の先に辿り着いても
新しい地平線が広がるだけ
もうやめにしようか?
自分の胸に聞くと
まだ歩き続けたいと返事が聞こえたよ

Mr.Children 『GIFT』より


地平線は果てしなく続いていくけれど、真っ暗闇ではなく、風が心地よい青空の下。
そう思うことにしました。

そして、治療を再開。
転職、転院、ステップアップと、地平線の先を目指してまた歩みを進めることができました。
わたしはたまたまこのタイミングで環境が整っていったけれど、きっと治療に専念できない環境の中、闘っている人もいることでしょう。
そんな方々の環境が少しでも整いますように、全てが良い流れとなりますように、、




不妊治療ではクリニックの先生、看護師さん、培養士さんの助けがあって妊娠に至りました。無事に妊娠継続し、不妊治療専門クリニックを卒業する日、看護師の方にお礼を伝えると
「この仕事をしていて一番嬉しい瞬間です」と
涙ながらに言っていただき、しばらく一緒に泣きました。とっても尊いお仕事だと思いました。


たまごを大切に管理してくださった培養士さん
お腹に届けてくれた先生
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
たまごの頃から知る我が子、可愛いに決まってます。大切に決まってます。
この経験はきっと、大変な出産もその後の育児に奮闘する未来の私も支えてくれる事でしょう。


不妊治療なんて経験しないに越したことはないけれど、治療していたから見えた景色もたくさんありました。
電車の中、街の人混みの中、きっと同じように静かに闘っている人がいるんだな〜とか。
今見えている景色も経験したからこそのものだと思えます。




余談ですが、、忘れられない思い出を一つ。

今回の妊娠に至る前に二度悲しい経験をしました。
悲しい結果を夫に伝えている途中、堪えてた涙がこぼれ落ちそうになった瞬間にガバッ!と抱きしめられた事です。
場所はキッチン。
これまでで一番強くて優しくて温かいハグ。
そして一緒にたくさん涙を流しました。
あー同じ気持ちだったんだ、と気付かされました。

どうしても通院は自分ばっかりで、子どもを欲しいという気持ちも自分の方が強いと思っていたけれど、夫も同じように闘っていたし、同じ熱量で子どもが欲しいと思っていたんだな〜と。
その上で「(私が)頑張ってたのを見てたから」と涙を流せる夫と出会って結婚できた事は私の人生で一番ラッキーな出来事だな〜と改めて思いました。
悲しい結果ではあったけれど、このことを教えるために少しの間赤ちゃんは私のお腹にやって来てくれたのかな〜と思うこともできました。
夫も同じように楽しみにしていたし、その分同じように悲しくて、本当に二人でおいおい泣きました。
大切な思い出です。




まだまだ安心はできないし、1日の中で何度も赤ちゃんが無事かとてつもない不安に襲われるけれど、気持ちを強くその時を迎えられるように過ごすことを心掛けたいです。
つわりも終わり、安定期にも入ったので、疲れちゃわないように張り詰めている糸を少し緩めようと思います。




最後に、、
今現在、地平線の先を目指す方々へ私が治療中、その時々で支えてもらった曲を贈ります。
どうかどうか世界中の子どもを望むご夫婦、パートナーたちの元へ赤ちゃんがやってきますように。


MrChildren

・しるし     (凍結結果の時)
・祈り〜涙の軌道 (妊娠判定日)
・もっと     (最初の4年間)
・花の匂い    (お別れが決まった時)
・GIFT                    (常時)
・エソラ     (落ち込んだ時)
・足音〜Be Strong(歩みが止まりそうな時)
・かぞえうた   (心が折れた時)

上白石萌音

・スピン     (治療に疲れた時)

木村弓

・いつも何度でも (お別れの後)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?