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大きな箱が届いた。高さ1メートル位の少し縦長の段ボールだ。私宛の送り状が貼り付いているが…
サングラスに黒いマスク。髪はキッチリと整えられてスーツを着た男は受付に真っ直ぐ行くとカウ…
「僕…本当の子供じゃなかったんだね。」 弟のその一言で平和で普通に夕食を食べていた両親は…
それは一瞬の出来事だった。あまりに唐突で、すぐに何が起こったのか理解できなかった。激しい…
午前10時。暖かな日の光が窓から部屋に差し込む。庭の桜は散ってしまったけれど、代わりにハ…
長年の風雨で灰色がまだらになった塀の切れた辺りに、だらりと伸びた枝が垂れている。枝には緑…
まず白い模造紙を広げる。幼稚園で使うからと買っておいたもので横1メートルくらいありそうだ。そこに大きく二重丸を書く。マジックでいいや。大きなコンパスなどあるはずもない。気をつけて書いたつもりだけれど丸は歪んでしまった。大丈夫だろうか。 そこに星形を書く。五芒星だったか六芒星だったか詳しくないので分からない。とにかく、星形を書いて、大きい丸と小さい丸との間に文字を書く…文字?文字って何を書くんだろう。調べてみるとギリシャ語やヘブライ語で神様か天使の名前を書くらしい。ギリシャ語
三度目の正直、だ。 今度は絶対に成功させてやる。私は病院の近くにあるコインパーキングに車…
そろそろ洗濯物を取り込もうとベランダの窓を開けると庭に猫がいた。 「2月22日は猫の日な…
「あかりをつけましょ、ぼんぼりにぃ」 棚の向こうから元気な歌声が聞こえる。見てみると、製…
ドキドキする。家族じゃなく友達とカフェに入るなんて初めてだ。お店の人がメニューとお水を置…
「先生、さようなら」「皆さん、さようなら」ガタガタガタ…椅子が床を擦る音が教室中に響く。…
バラバラと大粒の雨が道路に白い花にと打ちつけて騒がしい。それでも、部活が休みになる雨の日…
細い銀色の刺繍糸みたいな雨の日だった。紺色の傘をさして制服を着た彼は赤信号に阻まれて足元の白い花を見ていた。たぶん彼に目を止めたのはその横顔が大好きだった先輩にどことなく似ていたからだ。私と同じ制服だけれど見たことのない彼。胸につけられた校章の台紙が緑だから同じ学年らしい。よく見るとクラスは…1組か。私は10組だから、1組の生徒はほとんど知らない。同じ学校の同じ三階の端と端。普段使う階段も西階段と東階段で違うし、選択教科も1、2組と9、10組が一緒になることはない。だからきっ