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暴力は愛なのかもしれない。

やっほー。猫背だよ。

「暴力が似合うか似合わないか」で、好きな男を決めていた時期の私は、ちょうど吉本のお笑い芸人にハマっていて、そしてちょうどピカルの定理が流行っていて、その中でも平成ノブシコブシの徳井さん(破天荒じゃないほう)が大好きだった。

平成ノブシコブシの徳井さんは、当時「サイコパス」と破天荒さんにもファンにも言われていて、そのサイコパスエピソードは調べれば簡単に出てくるので割愛させて頂きますが、取り敢えず本当にヤバイひとなのだろうな。ということがヒシヒシと伝わって来ていた。

そんな、サイコパスな徳井さんにハマって色々と調べていると、今度は「負タケ頑ゴメ煌トクイ」というヤバイライブに出会う。

これは「負けるな竹内、頑張れ五明、煌めけ徳井」の略で、まぁ吉本フリークの方々なら苗字で「ああ、あの人ね」となる二人と組んでいたユニットというか、グループである。

以下、ナマモノ的な話になるのでグループ名は詳しくは話さない。でも検索すればすぐ出てくる。

その、負タケ頑ゴメ煌トクイのライブで、なんと、公式で、この三人を使ったBL小説を書いて送ってくださいというお題が出てきたのである。

猫背、ひっそりと楽しんでいた人間。
ひっそりと「拉麺ズ」とか「平和」とかでニヤニヤしていた人種。

これは。と思い、以下の小説を送り付けた。
読むのが面倒臭い人は飛ばして下さって構わない。これの真下に略で説明する。

原文ソノママ

 夏の暑い日。今日は俺と竹内が付き合ってから三年目ぐらいだと思う。期間を意識したことはあまりなかった。
 一緒にいて楽しいから、ずっと一緒にいたら三年経っていた、そう表現したほうが正しいかもしれない。
俺の横ですやすやと寝息を立てて眠っている竹内の顔には、真新しい痣と、真っ赤な血が見えた。
 ついさっき俺が殴って付けた痣だ。竹内には痣がよく似合うと思う。愛おしくなって、順番に撫でてみた。
「あ……、痛」
「悪い、起こした」
「ううん、大丈夫」
目元を擦りながら、体勢を変えて胸元に顔を埋めてくる。また少しだけ殴りたくなった。
「あ、そうだ。あいつにまた報告しなきゃな。」
そんな義務はないけれど、殴ったあとは竹内の寝顔を携帯電話で撮影して五明に送るのが常だった。この写真を見て怒りに狂う五明を想像すると、自然に笑みがこぼれる。
ああ、俺は今日も生きているし、人生を謳歌しているなぁ。

写真を送信してからまもなくして、アパートの階段が荒々しく鳴った。来た。
 ここまで鼻息が聞こえてきそうな、鬼の形相が頭に浮かぶ。髪を振り乱して階段を上って、アパートのドアを力任せに叩く。
頭の中でそんな想像をしていたちょうどそのタイミングで、玄関からチャイムが鳴った。今日のあいつは落ち着いてる。
 そう思って少し飽きたが、無視するよりも出迎えたほうが楽しいのは分かっているので玄関の鍵を開けた。
「またやったのかお前」
挨拶をする間もなく首を掴まれ壁に押し付けられる。急いで来たことを伺わせる額の汗と、目の奥の怒りは、一度退屈した俺をまた楽しませるものだった。ああ、楽しい。
「また、やっちゃった。お前の大好きな竹内、また殴っちゃった。」
そう言って笑うと、更に首にかかる圧力が増していく。苦しい、楽しくない。
そろそろ死んでしまうかもしれないと感じたところで、五明の腹を蹴って顔を一発殴る。ぐちゃ。
「てめぇ」
五明は殴られた勢いで倒れ、怒りが剥き出しになった目をして俺を見た。楽しい。立ち上がり、また向かってきたところに一発。倒れる五明。楽しい。
竹内は俺のベッドですやすや眠っている。

長いのに読んでくれてありがとう。

まぁ、要は
暴力を振るう徳井と付き合う竹内。この二人は暴力で繋がっている。
五明は竹内に片想いをしている。竹内は俺と付き合えば苦しい思いをさせないのに、何故か、痛い思いをさせる徳井と一緒にいるのが悔しい。それを分かって、その気持ちを逆撫でさせるような行動を取る徳井。

って感じ。

この小説には出て来てないけど、構想の中では徳井さんはバリバリ浮気するし、男ならず女も抱くしで、竹内さんは日々心をすり減らしてるわけなんだけど、それで泣いたり苦しんだりするんだけど五明には絶対に頼らなくて、そんな状況も含めて五明は苦しい、悔しい。みたいな感じだったと思う。

誰得。だけど、私はこの空気感がとても気に入っていて、この小説を竹内さんが選んでくれたと知った時には小躍りした。

恐らく八年前くらいの小説だけれど、まだSMに目覚めてなかった時の文章だけど、この頃から、私の中で、暴力は愛。だった。

殴るのは好きだから。
痛いのは愛されているから。

残った傷は愛されているしるし。

そんな気持ちでこの小説を書き直そうと思ったんだけど、一気にやるのは大変なので次回に続く。

猫背

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