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カミングアウトして職場を破壊した話 後編

こんばんは、ねみです。いろいろやっててめっちゃ遅くなりました!後編です!前回に続いてカミングアウトについて話していこうかと思います。

読んでないよ!って方はこちら↓

前回までのあらすじ

部長やLGBT担当の方にカミングアウトをして、会社で女性として働く一歩手前まで来ました。在職トランスを進めるのはもっと後の予定でしたが、助言を受け入れて早めにスタートすることに。
この頃、プライベートでは女性(仮)として生活する一方、会社ではバリバリに男として仕事。このギャップに正直かなり苦しんでいました。なので、タイミング的にも良いかなーと。

女性として働くには?

男として仕事をしている時と明確に変わるもの、それはズバリ!
服と声!です!

ウチの会社は一応男女で制服分かれてます。といっても銀行みたいなスカート!とかじゃなく、上着のデザインが違うだけ。なのでそんなにハードルは高くないはず。

そして声。これめっちゃ重要です。ぶっちゃけ相手の性別判断の半分くらい声なんじゃないかって思います。どんなに綺麗で女性にしか見えないニューハーフのお姉さんでも、声が男だとバレるじゃないですか。そういう感じ。

ミッション!制服を手に入れよう!

声は絶対に必要になると思って半年前くらいから練習してました。なので切り替えるだけです。でも制服は売店で買わないといけません!サイズ確認をするためには試着しなきゃいけないし、男性社員なのに女性制服の試着に一人で行くのは無理でしょ!?って感じ。

そこで、ちょっと前から事情を話していた職場の庶務のお姉さんに相談。
「よし!そういうことなら今から行くか!」
「え!?今から!?(心の準備が!)」
超ビビりながら売店に突撃しました。試着したらサイズ的には全然大丈夫だったので、一安心。2着手に入れてササっと職場に戻りました。いやほんと、こういう時女性のサポートはホントに大事。

というわけで制服をゲットした私。これで準備は整いました。
となると、次はあれをやるしかないわけです。

カミングアウト大作戦

最後の難関、職場の人たち全体へのカミングアウト。問題はその方法です。
・会議案内飛ばして説明会→ちょっと大げさすぎ
・メールで配信→堅苦しいし文章だけって嫌
・上司から説明→自分の口で言いたい

ちょっと考えた末にいい案が。うちの事務所は毎朝順番で簡単なスピーチをする朝礼があるんです。堅苦しくもないし、出席率もいいし最適だなって思いました。

朝礼で話すのを決めたはいいけれど、肝心の話す内容をどうするかすっごく悩みます。どこまで話すか、そもそも周りはカミングアウトされたときに何が気になるのか。自分じゃ全くわかりません。

「分からないなら聞けばいいじゃない!」というわけで、職場にいる仲のいい係長を捕まえて尋問…じゃなくて聞き込みしました。

「私、性同一性障害なんですけどってみんなに説明しようと思うんです。その時に聞く側としては何が気になります?」

いきなり単刀直入に切り込みましたが、この係長は勘が鋭くて、「なんか最近…男ではない何か…って感じがする」って言われてたんです。男ではない何かってなんだ!?!?。そういう背景もあって、こんな黒曜石よりも切れ味の鋭い聞き方で切り込んでもすぐ察するかなって。

「あー…そういうことか… そうだね~」「気になるのは最終的にどうするつもりかじゃない?」

数秒の思考停止をしてから、意見をくれました。いやほんと、この係長もめっちゃ頼りになる。うちの職場頼りになる人しかいないな??ゴールを言えば大体の道筋が見えるってことね。さすが!これで大体の話す内容は決まりました。もう完璧です。

朝礼で職場にカミングアウトした

そして迎えた当日の朝。ぶっちゃけ人生で一番緊張してる気がする。やばい。緊張しすぎて全然寝れてない。とは言ってもビビってられません。気合を入れて、買ったばっかりの新しい制服を着て、前に立ちます。

「おはようございます!今日の朝礼は、私自身について少しお話しようと思います!」

「実は私、性同一性障害で今は治療中です。最終的には、性別を変えて女性として生きたいと思っています!」

あたかも普通の話題のように、サラッと話し始めました。え!?って顔してる人もいれば、あーなるほどって顔してる人もいる。でも思ったより落ち着いた反応でした。ん?これなら何とか大丈夫そう???

そんなとんでもない朝礼が終わって、ものすごく気の利く人はすぐに呼び方を「君」から「〇〇さん(苗字)」って変えてくれました。そういえば名前を変えるつもりだってことを話すの忘れてた!朝礼であまりにも緊張していたので半分以上話す内容が吹き飛んでしまい肝心なことを言い忘れる。

特に私の下の名前は「THE!男!!」って感じの名前で、しかも苗字被りの人が職場にいるため下の名前で呼ばれることが多くて…。という訳で早急に社内の名前を女性の「通称名」に変更する手続きをしました。社員証も作り直しました。これに1か月ちょっとくらいかかって、その間がツラかった…

カミングアウト終わってからのこと

それから半年ほど経った頃にはみんな慣れて普通になってきました。私自身も最初は女に見えるか確証がないのに女性制服マジキツい…とか病んだ時もありましたが、だんだんと自然になってきました。多分私が一番慣れたんだと思います。前みたいに男らしさを自分から演出しなくていいのはすごく楽で、ホントに言ってよかったーって思いました。

幸い環境に恵まれたおかげで、よく耳にするイジメなどにはあいませんでした。でも知らないところでは結構ウワサになっていたりはしたみたいです。
「女性が新しく来たらしいよ」「新入社員?派遣?異動かな」「同じ職場の人から聞いた!男の子らしい!」「まじか!?時代だな~」みたいな。
他にも、半年ぶりに会う取引先の人や他部門の人に別人だと思われてて、説明したらめちゃくちゃ驚かれたり。毎回ちょっとずつ自分が変化してるんだなって思えて、悪い気分にはなりませんでした。

結果的に当初の予定とは全然違うタイミングでのカミングアウト、逆に早くてよかったなって思いました。ぶっちゃけ仕事って一週間で5日もやるわけですから、日常のかなりの割合を占めているんです。なので、職場で女性として過ごすのはかなり大切な事なんですよね。戸籍変えてからやろうなんていう当初の考えはバカでした。やれるなら早めにやったほうがいい、ほんとに。

あと1つ謝ります。タイトルに「職場を破壊した」って書いてあるんですけど、カミングアウトしても職場は破壊されませんでした。ほんとに破壊するつもりで言ったんですけど、周りの理解力の高さに負けました笑。ビックリはしてたけど、そうなんだーって受け入れられるのは今の時代背景もあるのかなと思います。
でも代わりに破壊されたのが2つあって、
1つ目は職場での私への認識
2つ目はテレビでしか見たことが無かった性別変える当事者が身近にもいるんだ!っていう職場の人の一般常識
まぁふつう居ると思わないですよね。わかります。

そんな感じでカミングアウト編終了!
次回からは手術について書いていこうと思います!


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