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お気に入りの漫画紹介

先日久しぶりにゆっくりと漫画を読みました。

基本的に電子書籍派ですが、お気に入りのものは実際に手に取ってじっくり読みたいので単行本を買うようにしています。

その中から今回はKAITO先生の『青のフラッグ』を熟読しましたので、ご紹介させていただきます。


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高校生の青春漫画なのですが、LGBT当事者の方たちには特に刺さる内容となっています。

当事者の私は『あーわかる、超わかる…!』と共感するシーンばかりでした。

気持ちを打ち明けたいけどそうもいかない歯がゆい感じや、キャラクターの何気ないしぐさや表情から読み取れる感情には共感ばかり。

出てくるキャラクターの一人ひとりが個性豊かで且つ作画のレベルが高いのでキャラクターの心情がスッと伝わってきます。

恋愛や友情に関しての価値観がそれぞれで人間くさい感じもあり、台詞や心情がどれも共感できるものばかりなので、どのシーンも見ごたえがあります。

気持ちのすれ違いがあったり、もがき苦しみながらも突き進んでいく感じが青春って感じがして凄く面白いです。

ユーモアもあって楽しく読めるので、『青のフラッグ』を読んだことのない方は是非とも一度読んでいただきたい作品です。


どのシーンも好きなのですが、その中から一つお気に入りのシーンを紹介させてください。

※ここからは少しネタバレを含みます。





主人公である太一の友人の真澄は明希子という女性に、親が子に望む幸せとは何か、安心とは何か。人と同じ普通に生きる事が望ましいのかと問います。

更に真澄は「自分は普通の人と違う。好きになる人が普通の人と違う」と打ち明けます。

「他との違いを貫くのは生きづらく、自他ともに嫌な思いをし続けなければならない。だったら…」

周りに合わせ大多数と共感できた方が生きやすいと。

でも自分と合わない人や関係ないの他人に、自分自身がどう思われようが平気。

ただ、今いる大切な人は別として。

『何が苦しい?大切な人に対して秘密を持ってること、打ち明けられなくて裏切ってる気持ちになるの?』と明希子に聞かれ、思わず真澄は黙り込みます。

そんな真澄に対し明希子は『その秘密はあなたの罪でも弱点でもない』と伝えます。

人は誰しも親しい人にも言えない秘密を抱えているし、どんな嗜好であれ、どんな感情もその人の自由だと。

その言葉に対し真澄は「もし自分の家族が、自分の理解できない嫌悪するような嗜好を持っていたとしても許せますか?今まで通りに接せれますか?」と問いかけます。

すると明希子は『その問題はあなたが抱える問題じゃない。私たちにできるのは、自分の信じる最善の道を選ぶこと。その選択に相手がどんな評価を下すかそれは相手が抱える問題。例え相手がどんな大切な親友だろうと家族だろうと、あなたがどんなに悩もうと努力しようとどうにもできないことなの』と真澄に伝えました。


このシーン、私は手汗をかきながら読んでいました。

当時自分が真澄と同じ悩みを抱えていたので思わず自分のことのように捉えていました。

こんな事を相談できる真澄ちゃんを尊敬するし、親身になって答えてくれる明希子さんも尊敬しちゃいます。

こんな素敵な人が現実の友人としていたらどんなに心強かったことか…

当時読んでいた私は明希子さんの言葉でだいぶ心が楽になったし、そういった考え方があったのかと気づかされました。

この他にも心が救われるシーンがたくさんあるので是非読んでみてください。

今後の人生の糧となるような台詞に出会える、そんな漫画です。


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