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わたしのいとしい、かいじゅう16

わたしは誰にもわたしの創造を邪魔されたくない。
指図もされたくない。値札なんか貼られたくない。
魂の肉片を時間のピースを。
汚されたくない。
それが優しさでも、愛でも。

私1人戦っている気がしてた。

わたしも戦ってたんだね。
私が外側向いて社会性とか普通とかに
なんとか適応しようと必死になってる間も。
ずっとかいじゅうと2人ぼっち。
暴れん坊のかいじゅうを守ってたんだね。
噛みつかれながら、ただただ抱きしめて。

いつまでもそうしてなよ。
これは、私がわたしに言った言葉かもしれない。

背中を向けたまま
私がわたしに言い放った言葉だったんだ。

やっと聞こえたんだよ。
わたしの声が。
小さいけど静かに怒ってた。
そして
私の大好きな顔をしてた。
あの頃のまんまだった。

もう普通なんかくそくらえだ。
もう私達は
もうわたしたちは

戦うために孤独を選んだりしない。

手を繋ぐことにする。
かいじゅうを真ん中にして
私とわたし。

さぁ、交代の時間が近いな。


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