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燻った人生も、お気に入り一つさえあればご機嫌。

今日読んだ本の中の主人公は、自分の才能に疑問を抱く漫画家見習い。パッと一花咲かれられないでいる地味な人生だけど、コーヒーへの熱意だけは誰にも負けない。

彼が深入りのコーヒーとたまごサンドのベアリングを楽しむ一時が、その物語の主軸を担っていた。

そう、燻る人生の中でも「お気に入り」や「ゆずれないモノ」が一つでもあれば幸せなのかもしれない。それは食べ物以外でも、服や雑貨、食器1枚だっていい。

触れると心がふわりとあたたかくなる、そんなものがあればそこそこの人生だって立ち回れる。そのこだわりが特別なエッセンスとなって、作品や原稿に深みを加えられる気がする。

今ここにある、牛乳をたっぷり注いだカフェラテでも充分。心を満たす要素を絶やしてはいけない。

その小説の彼は、コーヒーをきっかけにまた新たな才能を見つけた。絶望と思われた人生の中で、彼の漫画のファンを獲得したのだ。彼の漫画に目を輝かせる人にとって、燻っていた彼の作品こそ「お気に入り」になった。

1杯のこだわりさえ持っていれば、自身が生み出すものが誰かのゆずれないものになり得る日も遠くないのだ。

甘くまろやかなカフェオレをまた飲もう。ミルキーな1杯さえあれば、私も未だ見ぬあなたもきっとご機嫌。

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