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【俺は人間に聞いてみたい。】4

夢中

 なぁ、ネネ。
 俺な、ネネに聞きたいことがあるねん。

 ネネよく触ってるやん。それ。
 スマホいうやつ。

「うん」

 スマホで何してんの?

「調べものしたり。たまに友達と連絡したり。音楽聴いたりもするし。ちょっと遊んだり」

 俺も欲しい。

「あかん」

 なんでなん?なんであかんの?

「必要ないやん」

 俺いつも回し車で走ったりガジガジしてるだけやもん。ネネ、忙しそうやし。
 スマホ買ってくれたら俺は自分で何でも調べて解決できるようになるで?わざわざネネに質問せんでも。

「質問したらいいやん。いつもしてるやん」

 でもネネ、たまに鬱陶しそうな顔する時あるやん。

「そんなことない」

 いや、あるやん。だってな、今だってそうやんか。
 スマホがあったら俺は自分で調べて自分で遊んで静かにしてるはずやで。いつも回し車がガラガラうるさいって言うやん。

「……」

 俺もスマホ欲しい。

「あかん」

 なんでなん。自分は持ってるくせに。やってるくせに。

「……」

 ネネ。どないしたん。

「……ごめんな。これはネネが悪い」

 どうしたん?

「回し車の音が聞こえへんの想像したら寂しくなってん。話しかけてくれへんのも嫌やわ」

 うん。

「こんなん一緒におるって言わんなぁ。仲良く暮らしていこうって約束したもんなぁ」

 うん。

「ごめん」

 俺も駄々こねてごめんな。

「仲直りしようか」

 うん、早よ仲直りしよ。すぐしよ。
 ……した?した?俺らもう仲直りできた?

「うん、仲直りしたね」

 そしたら、アレ欲しいな……アレ。

「お野菜食べる?」

 ええのん?
 じゃあ、ネネも俺のお野菜ひとつだけ食べていいで。

「絶対いらん。でも気持ちだけもらっておくわ」

 セロリさんが欲しいな。

「どうぞ」

 今日のお野菜はなんか美味しいわ。

「せやね。ほな、たまには一緒に写真でも撮ろうか」


質問しがちなネズミとのひととき

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