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「75億分の1の物語」 〜サブストーリー〜①

「あっちのばあちゃん」
母方の祖母を僕達は"あっちのばあちゃん"そう呼んでいた。それは僕達家族が、父方の祖父母の家で暮らしていて、少し離れた所で母方の祖母が住んでいたからだ。こっちのばあちゃんとあっちのばあちゃんという意味だ。

「遺伝」
あっちのばあちゃんも本当に優しかった。母の優しさはきっとその影響だろう。母が小さい頃は本当に怖かったと、そんな話を聞いた時も信じられなかったくらいだ。でもあっちのばあちゃんはかなりのせっかちだった。

「早よしいや」
あっちのばあちゃんは何かある毎に"早よしいや"と口癖の様に言っていた。その性格と神経質な性格が合わさってか、母はいつも焦って物事を進めてしまい、そこで失敗すると更に怒られたそうだ。

「母子家庭」
女手一つで母を育てる為に、あっちのばあちゃんはスナックを経営していた。それが"一品料理鹿(しか)"だ。僕達兄弟も小さい頃はよくご飯を食べに行った。季節料理や種類豊富なお酒、カラオケなども設置されていて沢山の人に愛されていた。

「病」
毎日の様にお酒を飲んで接客をしていた為、かなり身体に負担が掛かっていた。そのせいであっちのばあちゃんはのちに糖尿病になってしまう。

続く

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